生まれた時には全身真っ白で丸々と太った子猫で、ちょうど庭の
ソメイヨシノが満開の花をつけてその花びらの色のような白さだったので
男の子でしたがサクラと名付けたのでした。
体重7K余り、年齢は17歳と6ケ月、年齢のわりには元気で、たいていは
私の隣に居場所を決めていて、サクラと私はお互いに「大好き」と思って
暮らしてきました。甘えん坊で淋しがり屋の人懐っこい猫でした。
猫との別れは急にやってきます。
10日くらい前から食欲がなくなり、5日前からは水しか飲まなくなり
別れが近いことを覚悟しました。
入院中の死だけは避けようと決心していましたので、最期の時まで
この家で一緒に過ごすことに迷いはありませんでした。
名前を呼びながら静かに撫でてやって一緒にいる、どんな薬よりも
これが一番よいと判断しました。
最初に飼っていた父親猫の太郎を入院中に死なせてしまって
いまだに後悔しているからです。
静かな別れでした。私の腕の中で名前を呼ぶと小さく鳴いて
それが最期でした。