私が雲間草(クモマグサ)と出会ったのは去年の秋でした。
家の近くの園芸屋さんで処分寸前の草花が売られていて、「まだ元気です」と
張り紙がしてありました。値段も格安で名札もありません、哀れな気がして
買ってきました。
今年の五月の初め、その草花が花を咲かせました。私が「まだ元気です」の
花と呼んでいたのは、雲間草だったのです。
雲の間に咲くほどの高山植物で日本の固有種とは違いますが、よく似ていて
愛らしさは同じです。
私はこの花と出会ってから「まだ元気です」の言葉が好きになりました。
人間だって「まだ元気です」と告げながら静かに暮すのも素敵なことです。
「まだまだ若い者には負けない」とか「医者にも行かず、高い保険料を払って
きたのに、今さら後期高齢者保健制度とは何だ!」と力んでみても虚しいので
「人間のつくっているこの世の中、矛盾も落ち度もありますなァ・・」と思い
ながら「私はまだ元気です、お構いなく」と言って暮らせたらいいが、と考え
ています。
雲間草の花言葉は「活力」でした。