仕事を完全リタイアしてから始めた「紙の日記」が23冊目になった。
2013年3月の日記
最近使っている筆記具
「富士日記」という本を読んだのが、書き始めたきっかけだった。
「富士日記」は武田百合子(小説家武田泰淳の夫人)が、富士山麓の山荘で
過ごした日常を書き記したもので、田村俊子賞の受賞作である。
その内容は、その日の食事、買った品物と値段、出会った人との会話などを
記しているだけの日記なのだが、テンポの良い文章と天衣無縫な表現に
惹きつけられた。結構、毒舌も吐いていて痛快なのだ。
例えばー
(昭和51年7月29日分からの引用ーそのまま)
七月二十九日(木) 晴 時々くもり
田中角栄は拘置所で麦飯と一汁一菜の朝飯で元気にしていると
テレビでいった。田中角栄はとても丈夫なのだ。
朝 麦飯、さけ罐、大根おろし、きゅうり酢のもの、卵。
夕飯 パン、ビーフシチュー、すいみつ桃、ぶどう。
主人、冷やしたすいみつ桃がおいしいと言う。
ぶどうもテレビをみながらずっと食べている。
今日は午後、夕立のような雨が一しきり。
もちろん、もっと面白い出来事も書かれている。
こんな感じで、日々の「よしなしごと」を記していくことは自分にも
出来そうだと、何となく思ったのである。
その時は時間はたっぷりとあったし、、。
そんなきっかけで「日記」を書き始めたのだが、これが後々母親の介護に
役立つなんて思いもよらなかった。
介護保険を利用するには、「介護認定」を受ける必要がある。
認定に際しては「認定調査」があり、市から委託を受けた専門家による面談によって
判定される。
認知症は日によって症状が変化するため、日々の行動、言動などの記録はとても重要。
本人は自分が認知症という病気とは思っていない。
一度会っただけでは正体を見破るのは難しいのである。
結果的に、適切な介護が出来なくなることにもなりかねない。
母の認定は、最初が「要支援2」、次が「要介護1」、現在は「要介護2」の判定を受けて、
それに見合った介護用品のレンタル、施設利用などのサービスを受けている。
「紙の日記」の効用は他にもあると思っているが、それはまた別の機会に。
2013年3月の日記
最近使っている筆記具
ー万年筆(イタリア製アウロラAURORA)
退職記念にいただいたもの
ーインク(シェーファーSheaffer)
ー吸い取り紙とプロッター
ひょっとして見たことがない人も?