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東林院(右京区)

平家物語の一節を思い起こす、朝に咲き夕に散る一日花が儚い沙羅双樹の名刹。


京都市右京区    「東林院」   (古都探訪・75)



沙羅双樹の寺として知られる東林院(とうりんいん)は、花園妙心寺町にある臨済宗妙心寺の塔頭の一つ。



普段は非公開の寺院であるが、1月の「小豆粥で新春を祝う会」、6月の「沙羅の花を愛でる会」および10月の「梵燈のあかりに親しむ会」の時節のみ拝観可能となっている。



本堂に向かう敷石の袖に慎ましやかに咲くシバキキョウ。
尚正式名はギンパイソウ(ナス科)で、日本には明治末期に渡来した多年草。



本堂前庭にある十数本の沙羅双樹の花が見ごろを迎え、6月15日から30日まで特別公開されている。



その前庭中央にドーンと構えるモッコクの古木。
普通は10㍍を越える高木になるが、手入れが施されているため枝が四方に張り出し、独特の趣を放っており見事。



前庭右端の苔生す一角と西縁が沙羅双樹の林となっている。



本堂にて抹茶と和菓子をいただく。
抹茶付きの拝観料は1,600円で、別に精進料理付きのコース(5,950円)もある。   尚和菓子は「京菓子處 鼓月」謹製で、沙羅双樹をイメージして作られた上品な甘味が特徴的。



数十本の沙羅双樹は植栽された樹もあるが、実生の樹がほとんどとの住職の談。



お釈迦様が入滅した時に、その死を悲しんで一斉に花を開いたという言い伝えが残る沙羅双樹は本来は別物で、日本では自然に育つことはない。



正式名はシャラノキ(別名・ナツツバキ)で、現代は洋風の建物が主流のため、庭木として多用される身近な樹でもある。



朝に白い花を咲かせ、夕方には落花することから、平家物語では「沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす」とうたわれた*

          *コチラはシャラノキをうたったもの。


なぜシャラノキが代用されたのかは諸説あるので、興味のある方は調べてほしい。



苔に映える白い花を愛でつつ、悠久のときの流れに想いを馳せる。





今年は空梅雨のため、蕾のまま落下する花が多数あるという。  それもまた無常なり。


            photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ

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