京都府宇治市 「晩秋の興聖寺」 (古都探訪 154)

興聖寺(こうしょうじ)は宇治山田の宇治川ほとりに坐す曹洞宗の寺院で、日本最古の坐禅道場としても知られる名刹。

石門から山門にいたる約200㍍の参道がこの時期、紅のトンネルを形成し、まるで一枚の絵画のように美しく訪れる人を魅了する。

緩やかな坂道は琴坂とよばれ、細長い坂の形と横を流れる谷川のせせらぎが琴のように響くことからその名が付いたとされる。

両側のモミジは古木が多く、優美さだけではなく重厚な趣きを併せ持つ。

前庭のツツジ、サツキもまた美しく、琴坂のモミジ、カエデとあわせ宇治の十二景の1つとなっている。


法堂や庫裡にぐるりと囲まれた庭園も松を主木に巨石や石造相輪を配し力強く、琴坂に負けず劣らずの存在感を示す。

整然と坐蒲(ざふ)が並ぶ禅堂に佇むと、背筋がピーンと伸びるのはおやじだけ??
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