一般の貿易実務書や貿易講座では、為替リスク対策のひとつとして、外国通貨決済をやめ、日本円決済にすべしと述べています。これはこれで議論の余地のない正論ですが、実務上円決済にしたから、すべての為替リスクから解放されることにはなりません。つまり円決済は為替リスクをすべて取引先に押し付けることを意味し、取引先がそのリスクを吸収できなければ、わが身に跳ね返ってきます。
例えば、円が20%強くなった(円高になった)場合、輸出業者は
\1,000 per M/Tで輸出契約をしていれば、\1,000 per M/Tで入金でき為替リスクはありません。一方取引先である輸入業者は自国通貨が20%弱くなり、輸入代金を自国通貨で20%多く払うことになります。この20%を販売先へ転嫁できない場合は、採算が厳しくなります。
従って、例えば20%を半々で輸出業者と輸入業者で負担するなどして、輸入業者から輸出業者に対して商品代金の10%値下げを要求してくることが想定されるのです。こうなってくると単なる為替リスクというよりも、価格政策として考える方が理解しやすくなるでしょう。
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