手賀沼日記

貿易実務の学び方 その2  貿易講座 77

貿易実務の学び方 その2

貿易実務を教えていると、ときたま奇妙な学び方をする人に遭遇します。貿易実務はこれまで貿易商人が行ってきた取引方法の集大成であり、貿易を円滑に進めるための実用の学です。しかるに少数ながら、何事も法律や規制の立場から学習し、実用の学とは程遠い見当違いの質問を多数してくる人物がいます。

個々の貿易取引は売買当事者の合意に基づき、進められます。これを勘違いし、確たる規則や規制が存在し、それによって法律の運用のように進められるものと間違って理解しています。このような人物に限り、注意をしても改善がなく、小事にこだわり全体の理解を欠いているのです。おそらく職場でも、扱いにくい問題人間でしょう。一言で言えば、貿易には向かないと言えるでしょう。

貿易でも決済関係の信用状統一規則などは、きっちりとその規則に基づいて処理されます。これと並んで有名なインコタームズは各種貿易条件の統一的な解釈を提供するものであっても、条約でもないし法律でもありません。貿易取引においては、これによろうがよるまいが勝手、どのように変更を加えて利用しても勝手、要は相手との合意次第なのです。

貿易実務に習熟するには、学校の勉強のように「学習する」のではなく、一般的な商売常識の立場で、売手・買手になったつもりで、状況を想像しながら進める、柔軟な態度が大切です。

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