今は昔、ニューヨークのメトロポリタン美術館を何回か訪れた。有名な美術品が多数展示されていて、この分野に関心のある人達には、いったん中に入れば立去り難いだろう。できることなら、持って帰りたいに違いない。
ところで私の場合、持って帰りたいのは絵ではない。階段の踊り場に休息用としておいてあった、「ジョージ・中島の木の椅子」なのだ。本当に素晴らしい。たまたま居合わせた若者が「あっ、この椅子は木なのに固くない」と素っ頓狂な大声を出した。まわりの人たちが笑った。
ジョージ・中島の木の椅子は、日本でも作られて売られている。残念ながら入手する機会はまだない。