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人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

巳年

2024年12月31日 | 徒然
 ネット情報によると
 【中国の漢字「巳」は「止む」を意味する「已」(い)。
  中国伝来の十二支はもともと植物が循環する様子を表し、6番目に草木が成長しきった状態を表す「已」がくる。
 即ちこれまでの努力が実を結びはじめる年だといわれ、草木の成長が極限に達した状態を表している。】

 なんとも芽出度い年ではないか。
 
 今日も雨の気配が囁きかけるように近づき、空がにわかに陰る。
 それでも時折雲が割れて陽の光が差し、胸も晴れる。

 何が起ころうと、希望を諦めずに迎えたい新年。
 地球のすべての命が癒しへと向かいますように。

 

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原始の力

2024年12月24日 | 舞台
 鼓童公演『山踏(やまふみ)』を京都で観た。
 世代交代が完了した今年の鼓童は力強くサービス精神も旺盛になっていた。

 最初の演目終了までの10分間は入場お断りとのことだったが会場を間違えたと知った私は焦った。
 本当の会場は京都駅からかなり遠いらしい。
 で、慌ててタクシーに乗り「飛ばして!」と叫んだ。

 しかしその運転手が凄かった。
 信号のない脇道や後続車の前をすれすれ横入(よこはい)りして走り、開場3分前に会場まん前の交差点で下してくれたのだ。
 
 5千円近い代金だったからさすがに「お釣りは要らない」とは言えず、チップは百円(冷静な私)。
 京都芸術大学内の劇場:春秋座二階席の最前列ド真ん中の席は思った通り見晴らしの効く好い席で、3秒前に着席できた!。
 
 <この日は満月だった>

 拍手の仕方やタイミングは人それぞれ。
 余韻を聴かずに叩く「拍手の為の拍手」が多いのは、参加型のお客さんが多数になったという事か。
 舞台へ自分の感動を伝えたい想いがフライング拍手に繋がっている。

 私は余韻を楽しみたい派だが右隣りが子供(中国の若い家族連れ)だったから笑顔で我慢した次第。

 そのうちその子も静かに舞台を見守り始めた。
 笑いや拍手を織り交ぜた賑やかな観客席が、武芸の陰陽の力で静かに抑え込まれてゆく。
 
 肚(はら)に響く打音が演者の体力の極限を超えたと感じた時、懐かしい原始の記憶が波濤(はとう)のように蘇(よみがえ)る。
 その軽やかともいえる奇跡的変化を何度も体感した舞台だった。

 今日はイヴ。
 こんな日にも戦禍のやまぬ彼の地に、あの原始の響きを届けたい。
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防犯コスト

2024年12月17日 | 徒然
 このところ疲れが取れずぼんやりすることが増えた。
 で、沢山いただいた柚子で昼過ぎに(!)柚子湯に浸かってみた。
 そういえば夕方寝も暫くしていなかったので少し寝てみたら小一時間グッと眠れて頭もスッキリ。

 健康のための伝承行事は家中を香(かぐわ)しくし、心身ともに温めてくれた。
 <柚子湯のイメージ(我が家の風呂にこんな風情はない)>

 面白いコラムを読んだ。
 「性善説なら田舎の無人販売所に“リンゴ10個で300円”とあれば、その通りにリンゴを得て支払ってゆく。
 だが中には悪い奴(ハッカー)がいて誰も見ていないからとリンゴをごっそり持ち、籠の代金もすべて持ち去る。
 やられた方は防犯に金をかけ、結果リンゴの対価は跳ね上がる。これが防犯コストである。 
 ハッカーのような、制度の穴を狙う犯罪者を頭いいなぁ!などと感心する輩は、犯罪のツケを自ら払わされていることに気づいていないのだ。」

 防犯コスト・・・たしかに他国の戦争犯罪は自分には無関係だとニュースを見ている内に、マーケットのあらゆる値札が高値に変わってしまった。

 制度は使う私たち次第で善にも悪にもなり得る「生き物」だ。
 性善説で作られた規範の中で、誰もが詐欺師にならないか試されている。
 
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死兵

2024年12月10日 | 徒然
 関ケ原の合戦で小早川秀秋は動かず、豊臣側が崩れるきっかけとなった。 
 その時、越前敦賀城主:大谷吉継は、
 「裏切り者を崩せ。突けや。雑兵雑輩には目もくるるべからず。金吾(小早川秀秋)を討て。金吾を地獄に落とせ。汝らが地獄の羅卒(らそつ)の先駆けをせよ!
と喚(わめ)き叫びつつ鬼神のごとく敵陣へ乗り入れ大谷勢は死兵と化した。」(司馬遼太郎:作『関ケ原』より)

 死兵とは背水の陣で死に物狂いで戦う兵士の事である。
 大谷軍は自らの意志で死兵となって闘ったが、今この瞬間にも他人の意志で闘わざるを得ない兵士たちは地上に無念を残しながら夢中で闘い死んでゆくのではないか。

 ”夢中では夢と気づかず、夢の中と気づくには目覚めねばならない”
 目覚めるには、現実社会と闘うという選択しかない。
 尊い事だがとても難しい・・・それこそ死兵となる覚悟が要る。

 一度崇拝された人間はその蜜の味を忘れられず狂気へと走る。
 その狂人たちの欲心が今日も世界を壊してゆく。
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歴史の血しぶき

2024年12月03日 | 徒然
 師走最初の火曜日は昨日に続いて暖かだった。

 大学以来の親友が信州から関西周りで来敦、かつ丼も蟹も目当ての店が定休日でガッカリさせてしまったので、奮発してセイコ蟹付きのお寿司をご馳走した。
 誰より私にとって贅沢で美味しい一日になった(喜)。
  <友もお寿司もお久しぶり~♡>
 食べやすく取り分けられたセイコ・全12貫最後のウナギの白焼きは香ばしくて絶品だったが撮り忘れた。

 近代日本幕開けの歴史小説(ほぼノンフィクション)『決定版・武揚(ぶよう)伝』(上中下)佐々木譲:作を読み終わった。
 榎本武揚(えのもとたけあき)という人間の未来思考の凄さに圧倒された。
 函館五稜郭の闘いの正しい経緯と大きな意義にも触れ、日本の抱える悪しき体質が今も続いていることも再確認した。
 武揚は日本の近代化に最も貢献した国際人である。

 <江差港に淋しく浮かぶ武揚の分身ともいえる開陽丸の、小さなレプリカ>

 韓国の歴史小説を読みたくなった。
 過酷で複雑な自国の歴史に翻弄され、抽象詩でしか思いを伝えらない時期を経てきた文筆家たちの血の叫び・・・。
 やがて現代の差別と格差を生むのは社会機構であり、それこそが全ての問題の根源だと気づいた彼らの作品は力強く魅力的だ。

 闘いを諦めなかった人々の魅力を伝えるために、微力ながら舞台に生きてきた事を忘れまいと思う。
 社会機構の欺瞞に向けられた地球上凡ての弱者たちの血しぶきを、浴びるように本を読もう。

 またしても過激になってしまった師走第三夜が暮れる。
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