金曜の夜から三日間、伊勢で今年二回目の集中稽古をした。
本番は5月10日。昨年から「劇団伊勢」と改名した旧伊勢青年劇場は、
今回の公演が実に57回目。しかも今回初めて女性団員が台本を書いた。
今までは主に、旗揚げメンバーの会長とそのご子息、そして学校の
先生N氏らが、ほぼ交互に台本を書いてきたようだが、ようやく書ける
団員が出てきたこと、しかも女性というのが嬉しい。
第57回公演『河崎物語』は、河から直接荷揚げして商売していた
戦前の問屋街の話。塗り物問屋に嫁いだ女の一生ものである。春慶塗
に代表される手仕事の温もりをサブテーマにして演出しようと思っている。
日本古来の職人芸こそが、不況打破の一つの突破口とも言われる今、
タイムリーで共感を誘う佳作である。
何処まで描けるか心配したが、案ずるより生むがやすし。見事な処女作
となった。舞台化が大変な部分は多々あるが、何とか今までにない、重層的
で深い味わいの舞台に創り上げたいと思っている。
1月の初稽古の日、久しぶりに逢う団員達は変わらぬ温かさで迎えてくれた。
とはいえ、私を筆頭に、皆出会った時から比べると年をとった。20年も経てば
当たり前か・・・。
初めて演出を担当させて頂いた『油屋お紺』の時に、公募でヒロイン役を
射止めた団員が、今や劇団の要の一人となり、彼女の家の持ちビルが、稽古場に
なっている。知り合った頃の団長は会長になり、私と最も親しかった若者が
現団長となって久しい。
この数年で老若男女が大勢増えて、現在30名を越える劇団員がかかわって
いるという。5~6歳の子役にも不自由しないところが凄い。
今回も、親子で稽古に日参して下さる家族が二組もある。皆芝居にかかわる
事が楽しくて仕方ないようで、町のイベントには劇団として積極的に参加し、
宣伝活動も兼ねて、稽古場から扮装して出てゆくのである。
舞台の質を第一目標に掲げる我が町の市民劇団とは、存在理由がハッキリ
違うが、町に浸透した劇団でありたいとの想いは共通している。
もちろん伊勢でも常に質の向上は目指してきたが、彼等は何よりも創る過程
での交流と、楽しさを大切にする。そこから生まれる芝居もやはり、楽しく温かだ。
研ぎ澄まされたシリアスさより、観る人をほころばせる型芝居や、コメディ演技を好む。
そういう生き方を貫いて、豊かに実を実らせてきた昨今の劇団伊勢の在りようには
学ぶところが多い。同時に、違う在りようを追求する我が市民劇団の存在価値も大きい
と気付く。敦賀と伊勢の風土の違いとも言えようか・・・。
いずれにせよ、伊勢の温暖さに培われた人情味と緩(ゆる)さが似合う「劇団伊勢」が、私は大好きだ。
本番は5月10日。昨年から「劇団伊勢」と改名した旧伊勢青年劇場は、
今回の公演が実に57回目。しかも今回初めて女性団員が台本を書いた。
今までは主に、旗揚げメンバーの会長とそのご子息、そして学校の
先生N氏らが、ほぼ交互に台本を書いてきたようだが、ようやく書ける
団員が出てきたこと、しかも女性というのが嬉しい。
第57回公演『河崎物語』は、河から直接荷揚げして商売していた
戦前の問屋街の話。塗り物問屋に嫁いだ女の一生ものである。春慶塗
に代表される手仕事の温もりをサブテーマにして演出しようと思っている。
日本古来の職人芸こそが、不況打破の一つの突破口とも言われる今、
タイムリーで共感を誘う佳作である。
何処まで描けるか心配したが、案ずるより生むがやすし。見事な処女作
となった。舞台化が大変な部分は多々あるが、何とか今までにない、重層的
で深い味わいの舞台に創り上げたいと思っている。
1月の初稽古の日、久しぶりに逢う団員達は変わらぬ温かさで迎えてくれた。
とはいえ、私を筆頭に、皆出会った時から比べると年をとった。20年も経てば
当たり前か・・・。
初めて演出を担当させて頂いた『油屋お紺』の時に、公募でヒロイン役を
射止めた団員が、今や劇団の要の一人となり、彼女の家の持ちビルが、稽古場に
なっている。知り合った頃の団長は会長になり、私と最も親しかった若者が
現団長となって久しい。
この数年で老若男女が大勢増えて、現在30名を越える劇団員がかかわって
いるという。5~6歳の子役にも不自由しないところが凄い。
今回も、親子で稽古に日参して下さる家族が二組もある。皆芝居にかかわる
事が楽しくて仕方ないようで、町のイベントには劇団として積極的に参加し、
宣伝活動も兼ねて、稽古場から扮装して出てゆくのである。
舞台の質を第一目標に掲げる我が町の市民劇団とは、存在理由がハッキリ
違うが、町に浸透した劇団でありたいとの想いは共通している。
もちろん伊勢でも常に質の向上は目指してきたが、彼等は何よりも創る過程
での交流と、楽しさを大切にする。そこから生まれる芝居もやはり、楽しく温かだ。
研ぎ澄まされたシリアスさより、観る人をほころばせる型芝居や、コメディ演技を好む。
そういう生き方を貫いて、豊かに実を実らせてきた昨今の劇団伊勢の在りようには
学ぶところが多い。同時に、違う在りようを追求する我が市民劇団の存在価値も大きい
と気付く。敦賀と伊勢の風土の違いとも言えようか・・・。
いずれにせよ、伊勢の温暖さに培われた人情味と緩(ゆる)さが似合う「劇団伊勢」が、私は大好きだ。
長く私の酷使に耐えてきた体を大切に致します。
今後ともどうぞよろしく!
ところで、K病院の隠し倉(?)には贈答された日本酒が眠っているとか・・・品質が落ちないうちに私が平らげましょう、と院長に進言しておりますが、梨のつぶてでであります。
酒が可哀相であります。ねぇ・・・。