wakuwakuなエトセトラ

出来ればこのブログで、読書の経歴と韓流ドラマの変遷を残しておきたいと思っています。

「GO」

2012-08-16 13:27:08 | 読書日記
今まであまり自分の国籍というものを改めて考えなかったけれど、この本を読んで、その人が生まれ育ったところの意義は大きいんだなーと妙に考えてしまった。
   
      

かって朝鮮(韓国)は日本の植民地で、多くの人が日本に働きに来ていた。
この本の主人公の俺の親も日本の軍事工場に働くために日本に来ていた。

そして日本が敗戦し、朝鮮が2つに分かれて、この人たちは本国に帰るか残るか、残るとしたら、国籍を朝鮮にするか韓国にするかの選択をした結果、今の在日朝鮮人とか在日韓国人とかがあるということを、私はこの本で初めて知った。

総連とか民団とか北朝鮮と韓国の事実上の出先機関が日本にはあって、主人公の親は最初は北朝鮮国籍だったけど、ハワイに行くために、家族全員を韓国国籍に変えて、この主人公はハワイに行くお金を日本の高校に行く資金にして、日本の高校へ行く。

そこから繰り広げられるかって同じ国籍を持っていた同級生との篤い絆や死による別れ、そこの高校で知り合った友だちとの友情、また日本人の女の子との恋やその女の子に国籍なんて関係ないとは思いながらも言い出せない葛藤等など、徐々に大人の階段を上っていく様子を運命に翻弄されながらも迷いながら信念を貫き通した主人公を見事に描いている作品であると思う。