はじめまして。
デザインユニットわがままの渡部文です。
昨夜、私達「わがまま」の初舞台となる
ライヴに参加してきました。
当日は、朝から緊張のしっぱなしで、２人して手を冷たくしていました。
最後の最後に、舞台挨拶をさせていただいた時など
まるで捕食者に睨まれた動物のように
ガタガタと震えてしまったほどです。
お目汚し、失礼致しました。
メインの音楽ライヴは、以下の順番で行われました。
どのアーティストさんも、もの凄い重力をもっていて
ステージにひっぱらるような感覚を味わいました。
気を抜くと、うっかり観客になりそうで、危なかったです。
・男舟 さん （http://www.otokobune.sakura.ne.jp/）
・大澤”UTERUS”雄介さん （http://www.rhythmo18.com/pcindex.html）
・哲学堂 さん （http://www.field-s.jp/toweland/）
・優理 さん （http://soraai.xtrock.com/）
グッズは、なんとポストカードが完売。
作品が１枚。
イラスト集が１冊売れました。
昨日のライヴを知って、わざわざ来てくださった方
グッズを手にとり、お金を出して買ってくださった方
本当にありがとうございました！
そして、「新宿Marble」の店長さん、スタッフさん
司会者の方々、出演者の方々、ありがとうございました！
第１回目のイベント参加としては、成功だったと思います。
今回の教訓は「アクションを起こせば、アクションが返ってくる」by小鹿夏
さて、ここでひとつ
昨夜のステージでは、喋ることのできなかったお話をしようと思います。
ライヴの主催者でもあった優理さんとの出会いについてのお話です。
今でこそステージで何とかマイクを握れるほどになり
ポストカードを買ってくださった方にも
「ありがとうございました」と声を出して、言えるようになりましたが
少し前までの私には、それができませんでした。
心因性の突発性難聴云々…なんていうらしいのですが
ようするに、少し前までの私は、耳がほとんど聴こえなかったのです。
生まれつきのものではなく、ピークはだいたい半年ぐらい。
一過性の、精神的ストレスが形になった症状だろうと
私は解釈しています。
しかも、その頃、私は、東京都住所不定。
つまりホームレス、居候などとよばれる生活をしていました。
誰ともコミニュケーションをとりたくないという気持ちの
表れであるかのように、耳が聴こえなくなると同時に
言葉も失い、絶望は最高潮。
その日も、いつものように目にだけは賑やかな新宿駅界隈を
ふらふらと歩いておりました。
音の無い世界、口パクのキャッチセールス
笑い声がなければ嘘臭いだけの笑顔
今夜、安全な寝床と、食事を確保できるかどうかという、切迫。
しかし、そんな中にあって、私の耳に、かすかに
とてもかすかにですが、ギターの音が聴こえたのでした。
吸い寄せられるように、近づいていくと
そこには、力強くギターの弦をはじき、全身で歌う女性が１人。
それが、優理さんでした。
ストリートでライヴをしているところに出くわしたワケです。
私は、音が聴こえた！という高揚を抑えつつ
いかにも聴いていますよという風に
（本当は、ほとんど聴こえていません）足を止めました。
しかし、そうしてヘラヘラしていられたのも束の間
私の隣で、優理さんの歌に感動した酔っ払いオジサンが
私に話しかけてきたのでした。
当然、私には返答することができず…聴こえないのがバレた！
と焦りました。しかも、そのオジサン、パントマイムをやって
いたことがあるらしく、大体、意思疎通ができてしまう。
聴こえないなら、何故いる？と思われたら嫌だと、少し恐怖しました。
それでも、あえて言うなら、あのとき。
たしかに、優理さんがはじいたギターの弦の振動は
私を惹きつけたし、全身から吐き出されたような歌は
私に届いていました。
演奏終了後、財布を逆さまにして、すぐCDを買いました。
聴くたびに、少しずつ断片的な音が詩になっていくのが楽しくて
嬉しかったです。
その後は、だんだんストリートライヴでの優理さんの声が
聴こえるようになりはじめ、ついには、難聴の回復。
そして、やっと最近、言葉を取り戻しました。
出来すぎた話ですが、こういうこともあるんだな、と思っています。
画像は、少し前に描いた、優理さんの似顔絵です。
