1122の日

間に合った！


***
その1

「あつこさん」
「はい」
「今年も俺は結婚できませんでした」
「そうだね」
「正直嫁探しも疲れてきました」
「ほう」
「俺の嫁なんてもともと存在しないのかもしれない」
「ほほう」
「俺はこのまま孤独に朽ち果てる運命なのかもしれない」
「そんなことないよ」
「彼女もいないし結婚なんて夢のまた夢」
「大丈夫だって。出来るって」
「本当に思ってる？」
「うん」
「本当？」
「」
「あつこさん？」
「」


あつこさん、まったく興味なさそうだよ。
かつさん、相談は占い師にするべきだよ。


***
その2

「あっちゃん」
「なんだよ」
「今日はいいふうふの日だよ」
「知ってるよ」
「独り身の俺には寂しい日だ」
「だろうね」
「ところで今日の服とても似合ってるね」
「なに急に」
「さては今からデートに行こうとしてるね」
「は？」
「自分だけいいふうふの日を楽しもうとしてるね」
「は？なんなの？」
「そんなオシャレしてどこ行くの？レストラン？ホテル？」
「」
「ハメ外しちゃうんだろ？明日の仕事に響かないようにしてよ」
「」


独り身の寂しさのあまり面倒くさい絡み方をするかつさん。
静かにブチギレるあつこさん。