竹竿の材料は、100均「すし巻」を使います。
竹をつないでいるタコ糸を切り、「すし巻」をばらしますが、中には写真のような半端ものが入っています。
奥は「割れ」、中央は「細」、手前の竹が「良い具合」です。
太さ、形ともに「良い具合」の竹だけを選別します。
「良い具合」の竹を10本、オーブンレンジで焼きます。やけどにはくれぐれもご注意下さい。
汚いオーブンでごめんなさい。
500Wで8分くらい熱したら、電源を切って、中の竹を一度取り出します。
エナメル質の外皮がベタベタ、テカテカしていますので、布かティッシュで丁寧にふき取ります。
竹が熱いので火傷しないように注意してください。
ふき取った後の竹を再び500Wで5、6分熱すると、写真のように少し茶色く変色します。
どのくらいの時間をかけて焼くか、どの程度の色まで焼くかは、使う道具によりますが、炭化するほどに竹はもろくなるので、「少し焼き色がつく」程度でよいと思います。
写真は、10本の竹を並べたもの。写真奥の竹ほど、曲がっているのが分かります。
左端を押さえると、この通り。
竹が歪んでいるのがハッキリ分かります。
手前5本は、まだ歪みが少ない竹ですが、微妙に歪みの差があります。
結局、使えそうな焼いた後も「良い具合」の竹は2本しかありませんでした。
見逃した「割れ」(左と中央)も入っていました。
このうち、右の1本を削ります。
「削り」に必要な道具は、「木工用ナイフ」、「まな板」、「やすり」の3つ。
この「やすり」は、洗って繰り返し使えるスポンジ型のもので、東急ハンズで随分前に購入したもの。
目の粗さは中位です。
「削り」のポイントは、竹を「まな板」に竹を押し付けて、自分から遠い方に向かって刃を動かします。
ケガしないよう、大胆かつ慎重に削ります。
1回目の「削り」でこの程度の薄さ。
外皮の手前までどんどん削ります。
言わずもがなですが、竿の先ほど薄く、手前は厚くなるように削ります。
外皮に届くと、緑色っぽい繊維質が見えてきます。この辺りから、刃を寝かせて、なるべく薄く削るようにします。
木屑の写真を見ていただくと、かなり細い屑になっているのが分かると思います。
慣れない方は、この時点で「木工用ナイフ」から「やすり」に切り替えても良いでしょうが、私はまだ「木工用ナイフ」でひたすら削ります
削った面が左。削る前が右。
色、質感が違うことが、見ても分かります。
この程度の厚さになると、下手したら竿先を削り落とす可能性があるため、「やすり」に替えます。
「やすり」がけのポイントは、竹を「まな板」と「やすり」の間に挟んで、竹を「手前」に引くことです。
竹を引かずに押したり、「やすり」を前後させると、竿先がひっかかり折れる可能性があります。
慎重に「やすり」で「削り」の作業を繰り返します。
僕の場合、いわゆる「先調子」の竿が好みなので、「木工用ナイフ」の刃と同じ程度の長さの部分が薄くなるように削ります。
ここは好みなので、「胴調子」の竿が好みの方はもっと長い部分まで薄く削ると良いでしょう。
ひたすら削った後の竿先はこちら。元の竹と比較すると、かなり薄くなったのが分かります。
「柔らかい」竿と「少し柔らかい」竿とでは、わかさぎのあたりの見やすさが地球とイスカンダルの距離ほどの差があります。
「もう良いかな」と思わず、余計に削るくらいが丁度良いと思います。
削った後の竿は、木屑をふき取り、漆を塗ります。
筆を洗う手間が面倒なので、僕は竿に漆を直接付けた後、ふき取るように塗っていきます。
竿の表、裏、横とムラなく塗りますが、仕上がりがきれいになるよう、一度でさっと塗るようにします。
漆は、見た目もきれいになりますが、竹が水で腐らないように保護する役割もあります。
2度塗りする場合は、軽くやすりをかけて表面をきれいにしてから塗ると良いみたいですが、面倒なので2度塗りはした事がありません。
完全に乾くまで24時間かかります。完全に乾いたら、次の作業に取り掛かります。
ここまでの作業時間は、おおよそ60分から70分程度です。「焼き」に15分、「削り」に50分、「塗り」に5分くらいです。
これが24時間後の姿。
先調子ですが、見た目もう少しスリムの方が感度が良さそうなので、もう少し削ることにします。