先月末、青森県五戸町のサッカーチーム「アステール青森」が解散していたことが判明しました。
アステール青森は青森県が誘致を目指していた2002年のサッカーワールドカップのために建設する予定であった「青森県営サッカースタジアム(仮称)」を使用するJリーグチームをつくるため、天皇杯4年連続出場の実績を持つ五戸町役場サッカークラブを母体に結成されました。この設立過程から見て、県による公共事業的な発想が色濃く出ていました。
アステールはその後東北社会人サッカーリーグの1部リーグに昇格し、5年間その地位を守ってきましたが、結局JFLへの昇格は果たせませんでした(最高3位)。当初の運営母体は「青森スポーツクラブ」という県の第3セクターでしたが、2003年に8位となり2部への降格が決まると青森スポーツクラブは突如経営から撤退し、支援を打ち切ってしまいました。
残された選手たちは自分たちで運営費を出し合ってチームを存続させたものの、年々人員、資金不足が深刻化し、今季終了とともについに解散せざるを得なくなってしまったとのことです。
結局青森には立派なサッカースタジアムもみんなが楽しめるJリーグチームも出来ず、Jリーグが提唱するようスポーツ文化は全く根付きませんでした。一体何がいけなかったのでしょうか。
原因はたくさんあると思いますが、今回私は「県民の無関心」に絞って話を進めていこうと思います。
青森県民の大部分はスポーツ文化に全く興味が無いのでしょうか。アステールがJFLを目指して戦っていたときも、財政難で危機に陥ったときも、県民の世論はあまり盛り上がりませんでした。
これは非常に残念なことです。「青森のような田舎にサッカークラブを支える体力は無い」という声を聞きますが、それは真実でしょうか?山梨、鳥取、徳島、愛媛、大分…青森と同じように経済的基盤の弱い地方にもサッカークラブは存在します。
青森県に欠けていたもの、それは長期的なビジョンと県民のサッカーやスポーツ、文化にかける気持ち、そして何より「チャレンジ精神」だったのではないでしょうか。
青森県民は県外就職が少ない県として有名です。自分の住む地域を愛し、そこでずっと生活していこうとする気持ちももちろん大事ですが、自分の知らない事に挑戦する気持ちに欠けているとも読み取れます。
「無いから諦める」ではなく、「無いから作る」。いつまでもお上に頼って作ってもらうことを待っていては、何も変わりません。今青森県に必要なものは原燃マネーや新幹線というような「ハード」ではなく、県を活性化させるような新しいアイディア、チャレンジ精神ではないでしょうか。
青森県民よ、そろそろ眼を覚ませ。
※ この記事は
・アステール青森サポータームーブメント”GIALLOBLU"
(
http://www.gialloblu.or.nu/)
・ウィキペディア
を参考にしております。