尾引浩志/倍音Sのブログ

ホーメイ、口琴、倍音による演奏活動の情報
2006年度はNHK教育「あいのて」に出演してました。

2006トゥバツアーその13 トゥバを後に、、、

2006-09-15 12:43:42 | 2006トゥバツアーの記録
あっという間の6日間、本当に奇跡のような旅でした。出発前には、みんながホテルの前まで、見送りに来てくれた。
写真は後列左から
チェチェックさん、日本から同行のマークさん、ジャーナさん、ナジェージタ・クーラルさん、尾引浩志、チョドラー、同行の加納さん、オイドゥパ夫妻、
前列左から
アンドレイ・モングシュさん、トゥバに住み着いてるアメリカ人のショーンさん、同行の山川冬樹さん
一番前に近所の子供!
 オイドゥパの最後の言葉はもちろん「トレーニング、トレーニング、マステルクラス、センキューベリマッチ、ゴッドブレスユートゥー!」
 そして僕らからはもちろん
「チェットゥリディム(ありがとう)トゥバ!」

2006トゥバツアーその12 カフェホーメイジ

2006-09-15 12:27:10 | 2006トゥバツアーの記録
 オイドゥパの家を後にすると今度は、オトクンが今年オープンしたというカフェ「ホーメイジ」へ連れてってもらう。こじんまり、こざっぱりしたきれいなお店。オトクンの計らいで、僕らの出発前夜に、ここでミニコンサートをやろうということになった。
 ミニコンサートには、トゥバの国民的歌手のナジェージタ・クーラルさん、彼女の妹でトゥバ最高裁判事のチェチェックさん、フーフルトゥ、チルギルチンにも参加したことのあるアンドレイ・モングッシュさん、トゥバクズのチョドラーさん、そしてオイドゥパも参加して大いに盛り上がった。この旅のテーマ曲となった「与作」を唄うと、トゥバのみんなが歌詞を教えてほしいと言う。今度トゥバへ行く時には、みんな歌えるようになってるかも知れない。
 パーティーの最後に、ナジェージタ・クーラルさんが「来年の8月には私の60才の誕生日パーティーがあるから、必ず来ると約束して!」といわれた。お金ためなきゃ!

2006トゥバツアーその11 信じられないプレゼント

2006-09-15 12:04:00 | 2006トゥバツアーの記録
 ウォッカがなくなるとワイン、ワインが残り少なくなると、ピーバ(ビール)を混ぜて「カクテル!」といって、どんどん飲み続ける。かなりみんないい気持ちになったところで、せっかく練習してるんだから、と山川+尾引のデュオで「与作」を唄う。サングラスの奥の瞳にうっすらと涙を浮かべてじっくり聴いてくれたオイドゥパ。唄い終ると「センキューベリマッチ」と言いながら、小さなナイフで、バヤーンに結んである歯のヒモを切り始めた。「えっ!まさか?」そのまさかだった。よっぽど嬉しかったのだろう。切り取った歯を僕らにプレゼントしてくれる、というのだ。小躍りする程嬉しかった反面、「酔った勢いでこんなことして、あとで後悔しないかな?それに、オイドゥパの身体の一部をもらうなんて重過ぎる、、、」いろいろなことを考えたり、感じたり、噛み締めたりしていると、もう涙も鼻水も止まらなくなっていた。
 最後はみんな、オイドゥパとあつい抱擁をかわして、家を後にした。
 後に、あまりの嬉しさに、この信じられないプレゼントのことを、日本にいる妻に電話して話すと、「気持ち悪い」と言われた。まあ、それが普通の反応ですよね?

2006トゥバツアーその10 オイドゥパの歯

2006-09-15 11:36:40 | 2006トゥバツアーの記録
 次の日もオイドゥパの家へ遊びに行った。彼も自分の音楽を尋常ではない程に受け入れ、感動する僕らのことが、とても嬉しかったようで、ウォッカを用意して待っていてくれた。ウォッカを飲みながら、また演奏に没頭していく。ふと見ると、バヤーンの上にどう見ても人間の歯がぶら下がっている。聞いてみると、自分の歯だと言う。「刑務所で冷たい水がしみるようになったから、自分で抜いたのさ。それを捨てないでおいて、アクセサリーにしてるんだ。」ヒエ~~~!

2006トゥバツアーその9 トレイニング!トレイニング!

2006-09-15 11:24:59 | 2006トゥバツアーの記録
 オイドゥパの高音カルグラは、どのように練習したら、できるようになるのだろうか?なんとかあの声を自由に扱えるようになりたい!そう思うのは、僕だけではないだろう。レッスンを乞うと、「俺のカルグラはモトシクル(オートバイ)カルグラだ!」といって、バイクに乗る真似をしながら「ウ~~~ンウ~~~~~ンウヲ~~~~~ヨヨヨ~~~ヴィ~~~~~~ンビビビビ~~~ン」と唸り始めた。それを観て僕らは大笑いしながらも真剣にバイクの真似をしてみた。オイドゥパも「その調子!」と嬉しそう。「とにかく毎日トレーニングしなさい。さぼるとどんどんレベルが下がるよ!」というアドバイス。「トレーニング、トレーニング!マステルクラス!センキューベリマッチ!ゴッドブレスユートゥー!」これがオイドゥパの決め台詞だった。
 楽しい時間はあっという間に過ぎ、そろそろホテルに戻ろう、ということになり、オイドゥパ夫妻とオトクンと一緒に、記念撮影をした。
 その日ホテルでは、言うまでもなく山川君と練習に明け暮れた。何か日本のうたを唄おうということになり、山川君の提案で、北島三郎の名曲「与作」を練習。次の日も朝から「よさ~~~~く~~~」と唄いまくり、同行の友人に「朝っぱらからうるさすぎる!」といわれてしまった。
 

2006トゥバツアーその8 オイドゥパ宅へ

2006-09-15 01:49:51 | 2006トゥバツアーの記録
 今回の旅でとにかくお世話になったのがオトクン・ドスタイ。彼は何度も日本に来ている、気のいい、いたずら好きの本当に友だちがいのあるやつ。でも彼はオイドゥパの音源を録るために刑務所まで行き、その音源をCDにまでしてしまう熱い心の持ち主でもある。そのオトクンが「明日は
オイドゥパの家へ行こう!」といってくれる。我々日本人は「うわ~~~まじで~~~!?」としか思えない。遂にあの伝説のカルグラ歌手に会えるのか?
 次の日、ホテルに迎えに来てくれた、オトクンの案内でタクシーに乗ってキジルのはずれへ。
路地に入り、日本ではあり得ないようながたがた道を行くと、ボロボロの家の前で停車。オトクンが一声かけると、中からは、ヨボヨボの、長髪にサングラスのおじいさんが出て来た。「オイドゥパです。」挨拶する彼は、まぎれもなくCDのジャケットで観て「どんな人なんだろう?」と妄想を巡らせていたあの“ウラジミール・オイドゥパ”だった。顔を観て、手を握った時には、もう涙が溢れていた。
 部屋に入ると、すぐにチャダガン(お琴のような楽器)と、あのバヤーン!目の前で楽器の説明、自分の音楽の成り立ちなどを話ながら、惜し気もなく演奏を披露してくれた。涙が止まらない。横を見ると、山川君も涙と鼻水でグシャグシャになっていた。

2006トゥバツアーその7 エニセイ川

2006-09-15 01:19:38 | 2006トゥバツアーの記録
 キジルに着き、オドゲンホテルというホテルへ。ホテルの裏にはすぐにエニセイ川。その向こうにはほとんど植物の見えない山、山、山。その上には青すぎる空。日本には日本の、トゥバにはトゥバの自然の風景がある。しばしキジルの町を散歩して、夜は部屋で山川君とホーメイ、イギル、ピーバ。風呂にお湯をはってるのを忘れて練習に没頭。気付いたら、浴室からお湯が溢れてあわや大洪水!バスタオルでお湯を吸って捨てていると、ホテルのお姉さんが「何があったんですか!?」。事情を説明すると、「大丈夫!気にしなくてもいいのよ。」って感じで処置してくれました。結局罰金もなくて「ホッ!」