2008年09月23日(火/祝) 09:50‐12:37 晴れ 無風 創価高校グラウンド
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
日大豊山 2 0 1 0 0 3 0 1 0 = 7
創価 0 1 0 0 3 1 0 0 3X = 8
[ 投 手 ] 川村(5.2/3)-江口(3.1/3)
[ 本塁打 ] 下山田(6回/右)
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ] 横内(2回) 五反(9回) 川上(9回)
1番(二)五反�、2番(一)三成�→(9裏/打)加藤�→(9裏/走)田中�、3番(左)川上�、
4番(右)大島�、5番(三)下山田�、6番(捕)野倉�、7番(遊)横内�、8番(中)加賀山�、
9番(投)川村�→(6表/投)江口�
昨日、一昨日と秋雨にたたられたものの、空は気持ちよく晴れ上がっている。
天気予報では29度まで上がるといってるが、やや肌寒い朝を向かえた。
ブロック代表決定戦を戦う創価ナインの体調は大丈夫だろうか?
秋雨と残暑が繰り返すこの頃、いずれにしても体調管理には油断大敵である。
今日の対戦相手は、甲子園出場経験のある東東京の強豪「日本大学豊山高校」
創価と日大豊山の予選を2試合ずつを見た限りでは、
現時点の完成度で日大豊山、伸びしろで創価といったところか?
いずれにしても接戦は必至だろう。
9時50分、後攻めの創価のマウンドにはエースナンバーを背負う川村
前2戦と同じメンバーが守備につくが、
ボール回しでポロポロしてるのが少し気にかかる。
1回表、川村は慎重に立ち上がるつもりだったのだろうが、
豊山のトップにいきなり痛打を浴び、少し歯車がおかしくなってしまった。
2番に送られ一死3塁から変化球が暴投となって、いきなり失点を許すと
3番を歩かせ、4番には上手く右へミートされるヒット、5番には強振されて犠牲フライ
後続は辛うじて凌いだが、好きなようにやられてあっという間の2失点
ここまでならドンマイドンマイなんだろうが、
その裏、2三振を喫しての三者凡退、
2回裏に、下山田の渋いヒットを野倉が送って横内の長打で1点返したが、
直後の3回表には、二死走者なしからエラーとエンドランが絡んで1失点
うぅ・・・ん 立ち上がりとはいえ、少し流れが悪すぎる。
その後もベースカバーが遅れる等、創価の守備陣にはチグハグなプレーが続くが
何とか凌いで迎えた5回裏、横内と加賀山が連続の四死球で歩くと
一死から五反、意表をつくセーフティが3塁線のいいところに転がった。
内野安打は確実だったが、ここで焦った相手投手が1塁へ暴投
ファールグラウンドを転々とする間に2者が戻って同点、
打者走者の五反も3塁へ達した。
続く三成は内野ゴロだったが、当たりが緩く五反が一気に駆け抜け逆転
ラッキーな得点だったが、
創価のミスで上げた点を返してもらっただけ、これからが本当の勝負どころだろう。
しかし、今日の川村はピリッとしない。
逆転してもらった直後の先頭打者にソロホームランを浴びると、続く打者に四球
さらに犠打への対応に、体が重いのか機敏さが足りない。
続く打者は内野ゴロに打ち取ったものの、本塁への送球は出来ず再び逆転を許すと
さらに長打を浴び失点
うぅぅ~ん、そろそろ限界か・・・
次の打者に死球を与えたところで、ベンチはピッチャー江口をコール
そして向かえる打者は日大豊山の4番、カウントはツースリー
スタンドは祈るような心境、江口が投じた勝負ボールは外へのストレート
快音が糸を引き、スタンドにどよめきが起こったがライト大島が背走して好捕
江口の気持ちが勝ったのか?打球が少し高く上がったのか?
ホームランでも不思議ではなかった。
6回表を辛うじて凌いだ裏の攻撃は4番大島から、
上から上手く被せた痛烈な当りは左中間真っ二つかと思われたが、
相手ショートがジャンプ一番、グラブの先に引っ掛けた。
大きなため息がグラウンドを覆ったが、
下山田が再び1点差へと迫るアーチをかけた。
カシッと石を叩くような小さな音を発した打球は、高々と舞い上がり
大きな大きな放物線を描いてライトスタンドへ落ちる。
負けない、断じて負けない、気持ちの乗り移った特大アーチ
さぁ今からだ、断じて気持ちは切れていない。
そして試合はクライマックスへ・・・
8回表に二つの盗塁と暴投が絡んで2点差となったが、
9回裏二死から、想像も出来ない劇的な劇的なドラマが待っていた。
9回裏、先頭打者は7番の横内
思い起こせば昨秋、都立文京戦での大逆転
3点ビハインドで向かえた9回裏、この時も横内から逆転の攻撃は始まった。
期待をしつつ、祈るような気持ちで皆が横内に視線を送る。
横内は痛烈なピッチャー返しを放つが、相手ショートがナイスバックアップ
ピッチャーのはじいたボールを素早く拾って送球すると
間一髪のタイミングだったがアウトのコール
続くのは8番加賀山、しっかりと引き付けて三遊間に痛烈な打球を放つが
これも相手サードが超ファインプレー
横っ飛びでグラブに納め、素早く起きると1塁へ矢のような送球
普通なら2本ともヒットなんだが・・・
だが、だがドラマはここから始まった。
9回裏二死走者なし、打者は6回から好リリーフした9番江口
外の変化球に喰らいついてバットを振ると、
打球は心地よい金属音とともにセンター前で弾んだ。
よし、一つつながった。
9回裏二死1塁、打者は1番五反
今日は四球1つはあるが当っていない。
体をねじり込むように振りぬいた打球は、
ライン際を固めるサードのグラブの僅か上を抜けてレフト線へ落ちた。
もう一つ、つながった。
9回裏二死23塁、打者は2番三成に変えて代打加藤
鋭い眼差しでピッチャーを睨みつけプレッシャーをかける加藤に対し、
相手投手は慎重に慎重に内外上下を攻めてツーストライクスリーボール
勝負のかかった6球目は低く外れて四球、加藤は1球も振らず目力で勝負に勝った。
これで三つつながった、とにかく後ろにつなげるしかない。
そして9回裏二死満塁、打者は3番川上
ここまで3三振、スイングはするがバットは何度も空を切っている。
ネクストバッターサークルから大島が声を掛ける。
ベンチからバットを持って下山田が声を掛ける。
チラッとベンチを見てバットを立てた。
初球の抜いたボールにピクリともしない。
二球目の変化球は低く外れた。
たしか3球目だったと思う、ストレートか変化球か・・・ なんでもよい。
気持ちで振った打球はサードの頭上を越えてレフト線を転々とする二塁打
追いついた。
なんと9回裏二死走者なしから追いついた。
9回裏二死23塁、打者は4番大島
1球目、2球目ともに明らかなボール、相手ピッチャーは動揺が隠せない。
そして3球目、真ん中に入ったあまいボールを大島は見逃さなかった。
ピッチャー返しの打球は痛烈にピッチャーの右、前進守備のセカンドの左を抜け
あっという間にセンター前に達した。
加藤の代走田中が小躍りしてホームイン
まさにドラマ、筋書きのないドラマがここに完結した。
試合終了の挨拶が終わると同時に、川村の目から大粒の涙がこぼれた。
江口の目も潤んでいる。大島が思わず天を仰いだ。
下山田が満面の笑みを見せた。川上と加賀山が抱き合った。
応援席では、だれかれを構わず握手、握手、握手を交わす。
辛うじて、本当に辛うじて24チームが進む本戦の都大会への出場が決まった。
しかし、修正すべき課題もけっして少なくはない。
戦いの本番はこれから始まる。
頑張れ創価! 目指せ甲子園! 願いは一つ全国制覇!
1 表/日豊 中二、犠打、暴投1点、四球、盗塁、右安、右犠飛1点、右安、三ゴ
裏/創価 三振、遊ゴ、三振
2 表/日豊 遊ゴ、遊ゴ、一安、盗塁、三振
裏/創価 二ゴ、左安、犠打、左二1点、投ゴ
3 表/日豊 三振、三振、三飛失、中安1点、左安、三振
裏/創価 三振、四球、犠打、中飛
4 表/日豊 投飛、一ゴ、三振
裏/創価 四球、中ゴ、二ゴ併殺
5 表/日豊 中安、盗塁、遊直併殺、左飛
裏/創価 四球、死球、捕飛、投安暴投2点、遊ゴ1点、三振
6 表/日豊 左本1点、四球、犠打、三安、一ゴ1点、左二1点、死球、(川村→江口)、右直
裏/創価 遊直、右本1点、四球、犠打、右安、右飛
7 表/日豊 二ゴ、四球、犠打、死球、二ゴ
裏/創価 三ゴ、三振、三振
8 表/日豊 左安、三振、盗塁、三飛、盗塁暴投1点、四球、三ゴ
裏/創価 遊安、右飛、遊ゴ併殺
9 表/日豊 一邪飛、三振、死球、左安、中直
裏/創価 遊ゴ、三ゴ、中安、左二、四球、左二2点、中安1点、サヨナラで試合終了
若者が恥ずかしげもなく人前で涙する美しさ、
ジジイももらい泣きです。
最後の最後まで諦めない強い気持ち、子供達から学ばせていただきました。
感動しました。
最後まであきらめず戦う、がんばり、若い子たちに学びました。
私もジジイですがもらい泣きしましたよ。
あと9回裏の遊ゴ、の次は五ゴですよね?
ある意味、すごく冷静に見ることが出来ました。
一つ一つのプレーが確実な日大豊山と、攻めが淡白な創価。
ミスが失点につながり、四番の大島の前でことごとく切れる打線。いや~なムード。
試合の流れとはこんなものです。
しかし、9回裏の創価の攻撃は、相手の好投手の気迫を上回る集中力。最後の最後に打線がつながり、頼れるキャプテンの鋭い打球。
選手たちの涙。本大会での活躍を期待します。
サウスポーさま
トーナメントを勝ち抜くには
一つや二つは負けパターンや、嫌な展開のゲームがあり、ここで粘り負けないことが大事です。
掲示板のコメントにあったように、ツキや運を底力に変え、さらに進化させていかなければなりません。
とにもかくにも「練習は実践、実践は練習」選手一人ひとりの強い意志と自信だと思います。
ひと昔前、逆転の○○という伝説を築いた学校もありましたが、
勝負強さの創価、粘りの創価、最後は創価、やっぱり創価というような
伝説の序章であればと期待しています。
いずれにしても来月からの本大会が楽しみですね。