goo blog サービス終了のお知らせ 

仕事に対する心構えと考え方

IT系商社の管理職として後輩に伝えたいことを書き溜めたものを公開しています。

自律ということ

2011-11-09 18:36:58 | 日記
自律というと、自分を律する、ということになりますでしょうか。
これは言うは易し行うは難しの典型だと思います。

簡単なところでは、この仕事を片付けてから帰ろう、と思っていたのに、飲みに誘われて明日でいいや、となってしまう例があげられるでしょう。
自分自身もできているかといわれれば正直自信のないところではあります。

仕事が与えられるもの、と思っているうちは自律ということは理解しにくいかもしれません。”言われたからやる”という姿勢でいては、自分が介在する余地がないですから。

仕事は自ら作り出していくもの、と心得てはじめてこの自律ということが理解できるように思います。
もっとも、仕事を作り出す、という意味はイコール”利益を生み出す”ということに直接つながっている必要があります。
間接的につながっている、という状態だと、他人を介在して結果につながる、ということになるため、結局自分をいくら律していても、変動要因=他人に左右されてしまうことになってしまいます。

我々は仕事でお金を稼いでいますので、プロフェッショナルです。
前にも書きましたが、プロ野球選手はすごいな、と思うのですが、TVで見る試合の裏には血のにじむような努力があります。
才能に任せている選手は早晩潰れてしまいます。

ではプロフェッショナルとはなんでしょうか。
こんな言葉がありました。
”自分が携わる仕事を遂行するための高い専門知識と技能を有した上でそれをさらに高め ていこうとする向上心と自分を律する厳しさ、高い倫理観、そして市場環境の変化を的 確に捉える能力を持ち、顧客に対して期待を上回る価値を提供できる人のことをい 
 う。”

いかがでしょうか。
自分のプロフェッショナルとしての価値はなにかを自問する必要があります。
そして、他人から見て”あの人はこの分野においてプロだよ”といわれなければなりません。自己申告はこの場合、無視です。

いろんなことに興味を持ち、チャレンジをし、その中で自分も他人も認める自分の価値=強みを見つけ、さらにそれを磨いていく事が必要なのだと思います。

このようなマインドセットで日々仕事に取り組めば、見方が違ってくると思います。

交渉と調整

2011-09-30 20:29:52 | 日記
交渉と調整、似ているんだか、違うんだか、関係があるんだか、関係がないんだか。
よくわかりませんね。
交渉というとなにか重たいイメージがありますね。
”お客さんと価格の交渉をします。”とか。
調整というと割とポジティブなイメージがありませんか?
”アポイントの日程を調整します。”とか。

調べてみると以下のように書いてあります。

【交渉】
利害関係のある二者(もしくは複数)が、互いの要求を主張して、最終的な妥結点に到達するプロセス。ネゴシエーション。
【調整】
ある状態に合わせて正しく整えること。過不足などを正してつりあいの取れた状態にすること。
(出展:goo辞書)

つまり、調整をするためには”(正しい)ある状態”がなければならないことになります。例えば、アポイントの場合には、来週会いましょう、という話であれば、”来週”という”正しい状態(双方の合意)”で先方と当方の都合を合わせるわけです。

では、なぜ、お客様とは価格の”調整”ではないのでしょうか。
それは、お互いの妥協点に到達していないため、”調整”をする前に”交渉”をしなければならないためです。
およそ交渉とは、先方と当方の利害・利益が一致しておらず、双方の落しどころを探って妥協点を見出すか、さもなければ決裂するかのいずれかです。
ビジネスの世界では、お客様との関係は交渉の後も継続するのが普通なので、決裂(つまり、取引打ち切り)を回避するため、交渉をすることになります。
言い換えれば、お客様は交渉決裂という切り札を持っているため、こちらは弱い立場におかれることが多いものです。

ビジネスですから、大損をして無理やり関係を継続するのはNGですので、NOという勇気も必要なのですが、問題はそこに至るプロセスです。
どうも最近、社内外を問わず、調整と交渉を取り違えていたり、交渉をせずに調整に入ろうとする傾向がよく見受けられるような気がします。
お客様の要求は明確であるのに、当方がメーカーと交渉できないために、ゼロ回答を持っていってしまうようなケースです。
おそらく、担当者はメーカーと交渉をしていると思っているのですが、内容を聞くと、お客様が要求してきた内容をそのままメーカーに伝えているだけなのです。
当然、お客様には次のような回答をします。
”メーカーと交渉をしましたが、NOと言われました。”

伝言ゲームをするだけでは交渉したとは言いません。

交渉のためには、お客様・当方・メーカーの状況を冷静によく理解をし、当方が主体者となって”三方一両得”の状態に持っていく必要があります。
実際には三社の要求が100%通るわけではないですから、”三方一両損”ではないか、という指摘もあると思いますが、知恵を絞って考えれば、妙案はあるものです。
お客様もそんな交渉には時間を使いたくないですし、多少妥協してもプロジェクトを推進することがメインなわけなので、妥協点はあるはずです。多少の妥協をしても、時間が買えると思えば”得”なのではないでしょうか。
交渉の当初はいくつかの選択肢がありますが、状況を鑑みるとおのずと選択肢が絞れます。その中で最上の策”三方一両得”をどのように実現するのかを交渉するわけです。

これらのことは考えることもさることながら、経験値が大きくものをいいます。
単純に長くビジネスマンをやっていれば自然と身につく、というものではなく、ビジネスマン歴の長短に関わらず、どれだけ交渉をしてきたか(つまり、修羅場をくぐってきたか)がモノをいいます。
”苦労は買ってでもしろ”という先人の言葉がありますが、まったくその通りだと思います。

最後に最近知った言葉を紹介します。
「人に任せていいのは、“情報の提供”と“労働”だけである。“考える事”と“判断す ること”は絶対人にさせてはいけない。」
当事者意識、ということですね。
メーカーのせい、お客様のせい、というのではなく、問題の背景と根本原因を正しく理解し、落しどころを判断し、それをそれぞれの利害関係者に提案し、問題がなければ解決策として実現すべくそれぞれの社内で調整していただくということです。

”考える事””判断すること”を放棄したら、あなたの仕事はなくなりますよ。





社内調整

2011-09-12 20:09:28 | 日記
ここ何年か皆さんが“社内調整”に時間を割くようになったように思います。過去当社がまだ大きくなかったころは”社内調整”などという言葉は使ったことがなく、当人同士で即決していたように思います。
当然、会社組織が大きくなり、周囲の人々と協力して働くために“社内調整”は必要ですし、時には重要ですが、残念なのは“社内調整”の結果、”できないこと”が増えているような気がするのです。

そもそも、ビジネスというものは人間が作った仕組みや決め事で動いているわけで、人間が変えられないはずはありません。しかしながら、それができない、という話がでてくるのには以下の三点の理由があると思っています。

・やり方がわからない
・面倒なので、あるいは、やったことがないのでやりたくない
・できないという意見を言いたい

やり方がわからないのであれば、聞けばいいだけの話ですが、後の2つは最悪ですね。
できないことを列挙するのではなく、どのようにしたらできるのかを考えるために“社内調整”をしましょう。あくまでも向いている方向は社内ではなく、社外=お客様、です。

ただし、自分ひとりでは仕事ができるわけではありません。
できない、と思っている人を説得するのには骨が折れますが、それがお客さんを向いている仕事で、きちっとした自分なりのロジックと調査の結果を持って話をすれば、できない理由を論破し、協力を得る事はできるでしょう。
それでもそれでも理由にならない理由で協力を拒む輩がいたら上司に相談をし、解決してもらうのも手です。

自分の考えを持たず、ちょっとした反対意見で人の言うなりになっていてはまともな仕事はできませんし、独りよがりの考えでは人を動かせません。

”なんのためにそれが必要なのか” ”どうしてそれをやらなければいけないのか”それが一般常識で、強い信念があれば大抵のことは協力者が現れうまく行くものだと思っています。


成長するとは

2011-08-24 20:43:39 | 日記
ビジネスマンを長くやっていると、過去に何度か節目があり、その都度自分が成長したのは、あの時だな、と思えることがあります。
それはたいてい、当時はとても苦しく、嫌で逃げ出したかったようなことをやり遂げたことだったようにも思えます。

例えば子供が成長する、ということを考えて見ましょう。
言葉を覚えますね。最初はなにを言っているのかさっぱりわかりません。そのうち、人間の言葉(というより単語)を話初め、おかしな間違えをしながら、まともに会話ができるようになっていきます。
間違えるのが怖くて、口を利かない子供を私は見たことがありません。

だとすると、子供は失敗を恐れずにトライを続け、会話というスキルをつけていくのですね。

社会人やビジネスマンとしての成長、というのも同じ事だと思います。つまり、成長とは今の自分の限界と思っていることより、もっと高度なことを自らに科す、ということだと思います。
それも、失敗のリスクを恐れずに。

マネジメントの立場から言わせてもらえれば、自らにより高度なことを課す心構えを持っていない人、つまり、現状に満足をし、チャレンジをしようとしない人を成長させるのは、とても難しいことです。

なぜなら、自ら成長しようとしない人はどうやっても成長しないからです。
より高度な仕事を与え成長させようとしても、逃げ回ったり、できない言い訳ばかりしたり、なにも建設的なことがありません。
結局、与えられた“高度な仕事”は所詮そのような人にとっては“やらされ仕事”に過ぎないのです。

同じことをやっていても給料はあがりません。というより、環境がどんどん変化していているので、自分は去年と同じことをやっているつもりでも、相対的にパフォーマンスが落ちているため、仕事ができなくなっている、と周囲からは見られます。

自ら成長しよう、と心の奥底から思ってください。
そうすれば、周囲から同じことをいわれても、一言一言が自分の成長につながります。

周りに成長させてもらうのではありません。
自ら成長するのです。
誤解を恐れずに言えば、私はみなさんの自らの成長を手助けすることしかできないのです。

“自らに対し、少ししか要求しなければ成長しない。極めて多くを要求すれば、なにも達成しない人間と同じ程度の努力で、巨人にまで成長する。”P・F・ドラッカー

自ら判断する

2011-08-24 20:20:44 | 日記
「人に任せていいのは、“情報の提供”と“労働”だけである。“考える事”と“判断す ること”は絶対に人に任せてはいけない」、という言葉があります。

昨今、考える事や判断を人に求める人間が多いように思います。

薄っぺらくてよく考えられていない、ちょっとつつくとすぐに矛盾があらわになる案について指摘をすると、ムキになって“じゃあ、どうしたらいいんですか!”と食ってかかるか、考えるふりをして黙り込む(つまり、私が答えを出すのを待っている)となるか。

私はそんな時には答えを出しません。
なぜなら、“私の考え”は“あなたの答え”ではないからです。
そもそも”私の考え”はあくまでもその時点の”私の考え”であり、夕方には変わっているかもしれません。ですので、あなたの求める”普遍的な答え”にはなりえないのです。

私の考えは私の考え、でも、その仕事の結果責任はあなた自身にあるのではないですか?
で、あれば、私の言葉は参考として聞いてもらって結構ですが、最終的にそれを含めて“考える事”と“判断すること”はあなたがするべきなのです。

仮に私が答えらしきものを出したとして、それに従ってやったらあなたは大成功したとします。その時の手柄は誰のものですか?考えはともかく、アクションしたのは自分なので、自分の手柄(つまり、活動の結果)だと考えますよね?

では、仮に私が答えらしきものを出したとして、それに従ってやったらあなたは大失敗したとします。その責任は誰のものですか?
おそらく食ってかかる人やダンマリを決め込む人は、私が言ったことをやっただけで失敗の責任は自分にはない、というのでしょう。

そんなもんです。

引き継いで間もないのでよくわからない、上司や前任者が教えてくれないのでわからない、というのも同じようなものです。
現在は事情がどうあれ、あなたが責任者なので、わからなければわかるまで聞く、でもそれはあくまで情報なので、自分で考え、判断をする、判断し実行したことには自己責任がともなう、といったことを早く知るべきです。

それがわからない、できない、という人にはプロとしての仕事はできません。徐々に周囲の信頼をなくし、最後は仕事がなくなってしまうのがオチだと思います。

そもそも、この話の大元の問題は、よく考えられていない(あるいは考えてもいないので、聞かれたところで即興で答えている)プランを持ってくることが問題なのです。

なぜそうなるのか?
それは、考え、判断をする癖をつけていないからです。

情報 - 考え - 判断

しっかり切り分け、表面ではなく、根本を考える癖をつけてください。