上:果実と紅い仮種皮に包まれた種子 右端白い糸状は珠柄 (ヘソの尾?)
タイサンボク (モクレン科 モクレン属 常緑高木 雌雄同株 花期6月 果期11月頃 原産地北米 学名Magnolia grandifloraマグノリア属 グランド・フローラ 大きな花) 葉は互生、葉身は長楕円形で厚い皮質、縁は全縁、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は褐色の毛が密生し鉄錆色。花は朴の木に似た大盃状の白花で、やや斜め上向きに咲き芳香がある。同形大の花被片9(花弁6・萼3)、長い花托に多数の雌蕊が螺旋状につき、その基部を雄蕊群が取り巻く。雌性先熟で開花時には雌蕊の柱頭はカールして受粉可能な状態になっており、雄蕊は互いが密着し閉じた状態である。開花2日目には密着した雄蕊が互いに離れて隙間ができて花粉を放出する。放出し終えた雄蕊はザラザラと崩れ落ちる。花は3日ほどの短命であるが、蕾が次々と開花するので、ある蕾が開花したときには、先日開花した花の雄蕊が盛んに花粉を放出しており、授受粉はスムーズにいく。幼果が成熟しないまま落果しているところを見ると、花の数に比べると成熟する果実は少ないように思える。果実は袋果が集まった集合果。成熟すると袋が裂開し赤い仮種皮に包まれた扁平な種子が現れる。
「タイサンボク(泰山木) 傾き咲く大盃の花弁が雨から蕊を守っていた