芽麟(無毛)が開いて展葉(無毛)
(ヤマハゼの冬芽の外側は芽麟に似ているが、葉になり裸芽であったことが分かるー最下段に写真)
上:雄花 下:雌花
幼い冬芽(芽麟の先の葉になる部分が欠落ー芽麟は内側の冬芽を守るだけの役割となる)
上:果実と種子
上:ハゼノキ 下:ヤマハゼ
ハゼノキ (ウルシ科 ウルシ属 学名Rhus succedanea 落葉高木 雌雄異株 花期5,6月 果期10月頃 別名ハゼ、リュウキュウハゼ) 葉は奇数羽状複葉で互生。小葉は長楕円形で6対~7,8対ほど、葉表は濃緑色をし光沢があり、葉裏は白っぽく、無毛。葉先は長く尖り、縁は全縁、側葉の側脈は15対ほど。毛は秋に美しく紅葉する。雌雄異花で各々単性花をつける。大きな円錐花序に淡黄緑色の花を多数つける。萼は5裂、花弁は5で反り返る。雄花は雄蕊5個が目立ち、雌花は緑色の子房から花柱・柱頭が出ている。柱頭は2,3裂している。果実は扁平で無毛、秋に褐色に熟す。冬芽は先端部分が欠落した無毛の芽麟4枚に包まれている。江戸時代に琉球国から伝わり、果実から木蝋を採るためにウルシの代用として栽培された。
属名Rhus ラテン語ウルシ
種小名succedanea succedaneaus代用の (ウルシの代用を意味するのだろうか)
同属のヤマハゼ(学名Rhus sylvestris Siebold et Zucc.)は小葉主脈上や葉軸、葉柄に毛が密生。冬芽は裸芽で黄褐色の毛が密生している。ハゼノキとヤマハゼの見分けで確実なのは冬芽の毛の有無を観察すること。冬芽は5月から翌年4月の展葉までほぼ1年間観察できる。麟芽か裸芽かは見分けが難しいが、冬芽が綻び展葉する4月頃に観察するとよいようである(芽麟は葉にならず、裸芽は葉になるー写真)。種小名sylvestrisは野生の意。命名者はシーボルトとツッカリーニ連名。