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動機づけ面接法(MI)とは

2012-05-16 12:37:55 | 動機づけ面接

皆さん、お待たせしました。

これまで、「動機づけ面接法(MI)ってなんだろう?」と思いながら、

こちらのブログを読んでくださっていた方がいるかもしれません。

遅くなってしまいましたが、少しでも皆さんにわかりやすくお伝えするには…ということを考えて、

編集者で話し合いを繰り返してきました。

これから、「動機づけ面接法」について解説した記事をゆるーく連載していきたいと思います。

読まれてのご感想をお待ちしております。

from mimi


動機づけ面接法とは

第1話  まず司法分野で広がった

動機づけ面接法 Motivational Interviewingとは、

心理士のミラーとロルニックが開発した面接のスタイルです。

その特徴は、来談者中心的要素と目標志向的要素の2つを併せ持っている点にあります。

この来談者中心的要素というのは、日本での一般的な面接ですのでなじみのある人も多いでしょう。

受容と傾聴の面接、厳密にいうとロジャーズという心理士により始められた、

話をよく聞いて、アドバイスだとかああしろこうしろということは言わないで、

肯定的に受容しましょう、自分自身を偽らず誠実な態度でクライエントと接しましょう、

という面接スタイルのことです。

一方、目標志向的な要素というのは、行動療法に由来する要素で、クライエントが自らを振り返り、

探ろうとするときに、本人にまるっきり(非指示的に)任せるのではなく、

変化の方向に向かいやすくなるようにカウンセラーから積極的に働きかけていきます。

動機づけ面接はこの2つをあわせ持っていることになります。

効果としては、薬物依存、嗜癖行動、生活習慣病への効果が示されています。

また、保健スタッフに動機づけ面接を教えるトレーナーの世界的なネットワークがあって、

詳細な研修プログラムがあるということも非常に特徴的な点です。

 

さて、MIは、アルコール依存症、薬物依存症を対象として、

保護観察官など司法の分野に広がったという歴史があります。

保護観察官 probation officerというのはどんな人かというと、簡単に言えば、

例えば、何か悪いことした、そして有罪と確定した、そうすると執行猶予がつくことがあるのですが、

その執行猶予がついている間、保護観察をする人たちのことです。

国によっては、たとえば、ヨーロッパでは、デンマークのように保護観察官の研修に、

MIを義務付けている国もあります。

ここで、少し考えていただきたいのですが、なぜ、保護観察官で先に広がったのでしょうか。

どうして心理職の方やお医者さん、看護師さんではなくて、保護観察官で先に広がったのでしょう。

(もしピンとこないようであれば)少し保護観察官の人が対象とする人たちのことを

具体的に想像してみましょう…

そう、彼らが対象としているのは、「いやいやながらその場に来ている人」「ふてくされている人」

あるいは「とりあえず、おとなしくしておこう、そうすれば早くおとがめから解放される」

といったようなことを考えている人たちなのです。

こういった人たちが相手の場合、話を聞いているだけではなかなか面接は成立しないことでしょう。

そこで受容と傾聴とをしつつ、カウンセラーからも積極的に

「この人たちは本当はどういったことを考えているんだろう、

どんな価値観を持っていて、この先どんな人生を送りたいと願っているのだろう」というような

変化の原動力となるかもしれない内容を引き出していく、それがMIなのです。

 

動機づけ面接法とは(2)に続く)

 


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