漆工芸・スクラッチボード画/前田浩利のブログです。

日本の線画―前田浩利の仕事/銅版画・スクラッチボード画のすべて。

日本の漆/前田浩利の沈金3・11大津波―真実の記録。(3)

2015年04月11日 | 前田伝統漆工房
      漆塗りの鏡面は、世界で最も堅牢な塗装です。
      
      私の沈金技法は、小刀で削りながら絵を描き、その面に漆を挽き純金とプラチナ銀を
      擦り込み完成させますから、千年以上は変わらずに輝き続けるでしょう。
        とにかく―この絵が歴史の証言者になってしまう訳ですね。
        そうなると絶対に誇張や嘘を描くわけにはいきません。
        ――絵が語る日本の漆工芸・沈金による平成時代の大震災――
        となる訳です。私の精神構造の中には千年後の社会が想定出来てしまいます。
        漆という時間を超越した素材を仕事としているからでしょうか。
        
        このシリーズ絵は、20点が目標です。現在まで大版5枚の震災絵が完成しました。
        普通的には、大変めずらしい絵画になりますから、もし、みなさまの中で原版の
        作品をご覧になりたい希望があれば、グループなりイベント会場なりに出向きます。
        (300枚の瞬間素描や40枚のデッサン画も同時に見てください。(浩利)         (岩手県釜石市―市街地を崩壊させた濁流)
        

        






        


        




        漆板に小刀で削り絵を描いた後、生漆を挽き全面にプラチナ銀をすりこみます。
        


        



        千年後の人々に伝えたい真実―
早い! 津波は早い!――凄まじい早さで街を崩壊してゆく映像を見て、
        私の技術が力量不足でもこれを描かずにはいられない。
        一舜のまばたきで波にのまれ消えた人達「命が終わる、命が奪われる」
        後世の人びとに、この真実をつたえる手段があるのか
          ―――漆の沈金技法こそは、それにふさわしい―――
        



        

瞬間素描300枚・デッサン画40枚完成。
     地震発生時から収録したあらゆる震災動画の映像集を見ながらデッサンを開始します。
     リアルタイムで流れ動く映像から、瞬間素描300枚のスケッチを制作し、その後に素描を見ながら、
     デッサン画として完成させます。眼前に繰り広げられる凄まじい崩壊現場が、私の脳裏に焼け付く瞬間映像として
     どこまで正確に捉えることができたか――現在も新しい映像は提供されつずけています。 (前田浩利 記)

        
  
 

    前田伝統漆工房/前田浩利
           制作工房/〒554-0002/大阪市此花区伝法2-1-54
                TEL/06・6468-1588

       
          
          
        
        
        
        
    
     

日本の漆工芸/前田浩利―3・11大震災を描く。(2)

2015年04月10日 | 前田伝統漆工房
   世界三大漁港に名を連ねる気仙沼漁港の崩壊。

  私の漆工芸沈金の技法は、線画です。あらゆる造形は線のみによって表現しています。
   点描は飛び散る波の表現のみです。ぼかしの技法も線のみによって描画します。
   今回の大震災は東日本一帯の漁港が襲われ市街地を壊滅させました。この宮城県気仙沼市は、
   世界三大漁港に名を連ねる日本有数の漁港です。巨大漁船45艘以上が被災する大惨事です。
   大津波の猛威が想像を越えた被災現場となって眼前に繰り広げられました。             (漆塗り板の鏡面に直接小刀を当て絵を描き、金銀を擦り込み完成します)                  

 

衝撃の映像を見て定点で恐怖の仮想体験を通してデッサンします。
    この被災地で、実際に津波に直撃された現地の方達は、私の描く被災画では現実感に乏しいと感じられることで
    しょう。私はあの凄まじい津波の動画を見、写した写真を見て、定点で私が被災しているという恐怖の
    仮想体験を通して、それを瞬間素描に置き換えて制作した‘私の大津波体験記’になります。
   


    小刀で削り全体を完成した後、生漆を挽きプラチナ銀と純金を擦り込み完成します。
   


    ■宮城県気仙沼市の漁港の被災記録。   (作品画面70㎝×45㎝) 


  前田伝統漆工房/前田浩利 
  〒554-0002/大阪市此花区伝法2-1-54
                    TEL・06-6468-1588
      
 

日本の漆/前田浩利・東日本大震災を描く。(1)

2015年04月09日 | 前田伝統漆工房
  日本の漆工芸―沈金の技法によって初めて《3・11大震災》を刻む。
       漆工芸家(沈金)/前田浩利 刻画 
  
  






  






  






  ■鋭利な小刀で線を刻み、生漆を挽きプラチナ銀と純金を擦り込んで完成します。


   制作工房/〒554-0002/大阪市此花区伝法2-1-54
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