漆工芸・スクラッチボード画/前田浩利のブログです。

日本の線画―前田浩利の仕事/銅版画・スクラッチボード画のすべて。

日本の漆工芸/前田浩利―3・11大震災を描く。(2)

2015年04月10日 | 前田伝統漆工房
   世界三大漁港に名を連ねる気仙沼漁港の崩壊。

  私の漆工芸沈金の技法は、線画です。あらゆる造形は線のみによって表現しています。
   点描は飛び散る波の表現のみです。ぼかしの技法も線のみによって描画します。
   今回の大震災は東日本一帯の漁港が襲われ市街地を壊滅させました。この宮城県気仙沼市は、
   世界三大漁港に名を連ねる日本有数の漁港です。巨大漁船45艘以上が被災する大惨事です。
   大津波の猛威が想像を越えた被災現場となって眼前に繰り広げられました。             (漆塗り板の鏡面に直接小刀を当て絵を描き、金銀を擦り込み完成します)                  

 

衝撃の映像を見て定点で恐怖の仮想体験を通してデッサンします。
    この被災地で、実際に津波に直撃された現地の方達は、私の描く被災画では現実感に乏しいと感じられることで
    しょう。私はあの凄まじい津波の動画を見、写した写真を見て、定点で私が被災しているという恐怖の
    仮想体験を通して、それを瞬間素描に置き換えて制作した‘私の大津波体験記’になります。
   


    小刀で削り全体を完成した後、生漆を挽きプラチナ銀と純金を擦り込み完成します。
   


    ■宮城県気仙沼市の漁港の被災記録。   (作品画面70㎝×45㎝) 


  前田伝統漆工房/前田浩利 
  〒554-0002/大阪市此花区伝法2-1-54
                    TEL・06-6468-1588
      
 


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