山行っちょった記

四国内、主に高知県内の山歩き、山野草などの記録です。

幻の白髪池

2006-09-27 22:48:32 | 剣山、三嶺方面
暑さに弱い私は6月から今回の白髪山までの間、暑さを避けて山行夏休みとしていて
初秋の9月まだまだ日中の日差しはキツイが標高の高い山ではかなり涼しいだろうと
期待し物部の白髪山に向かった。

実は物部白髪山には過去にも来たことがあり、今日で4度目となる。しかし
今回の真の目的は白髪山ではなく「池」白髪山山腹に人知れずある俗称 白髪池。
場所がはっきりと紹介されてもいないし、もちろん道は無いし赤テープなどという
俗物も無いらしい。つまり藪コギ笹コギ道ナシ大好きの私好みの目的地なのです。

出発は一人で行く気楽な山歩きでもあり少しゆっくりスタートで8時30分。
白髪山への別府温泉経由のルートは白髪山への途中が土砂崩れのためまだ通行止めの
ようで、結局昔からの久保影から堂床まわりで白髪山ふもとの駐車場に10時頃到着。
はやる気持ちを抑え、そそくさと準備をして10時20分ころ出発。

登り始めて・・
思い出した、この山は階段登山道だった・・・。
登山道が整備されるのはいいのだけれど道の土砂安定のために木杭と木材を使った
階段状登山道はどうしても苦手だ。
自分の登山ペースを階段で乱されてしまうし何より膝に無理がかかる、もちろん
下りには格別膝に無理がかかる。階段道が苦手なのは私だけではないらしい。
登っていくと階段道を避けその脇を歩く人が多いらしく階段道が草ぼうぼうに
なっている所があった。


剣山、次郎ギュが見えてます。

頂上が近くなるとリンドウがその藍色の花を風にゆらせながら迎えてくれた。
まだ日差しがキツイ9月、リンドウの藍色がまぶしい!
私みたいな素人カメラマン、シャッターを切るのに忙しい。
やっぱ枚数で勝負するしかないでしょう。


リンドウ

登り始めより約1時間、頂上で少し早いがお昼とする。
やけに虫が多い、まだ新しそうな山名板のまわりには特に虫が多かった。
周りの風景に免じてガマンガマン。
今日はお天気が良く、東には次郎、太郎がはっきり見えている、
北にはもちろん三嶺、
西に目を移せば西熊山、オカメ岩、地蔵の頭、天狗塚、見てて飽きることがない
風景が広がっている。


白髪山山頂より東方

周りの山々を夕暮れまで見ていたいのは山々だけれど、
今日の目的地に急がねば・・・。
白髪池の場所の情報は「頂上より南西方向に下っていけば行ける」ということだけ。
しかし、地図を見れば、だいたい場所の予想はつく。

私もあらかじめ池の場所の予想はついていてその方向に向かった。
頂上三角点より少しの間は踏み跡らしき道はあったがすぐに獣道のような道に変わり
その後獣道も無くなった、ひたすら腰くらいまでの笹の中を歩く。

歩いていて気がついたのは何となく「獣のにおい」。
頂上までの通常登山道では感じることができなかった「香り」だ。
周りを見渡すと何も獣らしき物は見えない、しかし警戒のためだろうか
時折鹿の鳴き声が聞こえる。
我に返って再び歩き始めるが痩せ尾根ではないのでちょっと気を
許すと尾根をはずすが樹林帯に入らぬようもっぱら笹の中を下って行けば頂上より
35分くらいで池にたどり着く。


白髪池が見えてきました。あちらこちらに獣道が見えてます。

高い位置から池が見え始めた時には水があるように見えたのだが着いてみると
水はほとんどなく沼に近い状態で、獣の足跡が池の周りにいっぱいあった。
ほとんどが鹿の足跡のようで、その上、例の「香り」は相変わらず感じるので
この周辺をネグラとする動物たちの水飲み場になっているようだ。

池には石鎚の笹蔵湿原のような苔はほとんど無いが、池の北東方向にはちょっとした
ダケカンバの林があり紅葉の時期、そして池に水があればいい写真が写せそう。
それにうまくいけば水面に映る逆さ白髪山を見ることができそうで・・
水があればなかなか絵になる池です。


白髪池 後ろにはダケカンバの林

さて帰り道は・・・。元来た道を戻ればいいのでしょうが笹の抵抗を受けるのが
目に見えているし、ここまで下りてきてまた上り返すのはいただけない気がし、
下って行けば舗装林道に遭遇するのは地図を見ても明らかだったので無理やり
道も無い南南西方向に下ることとした。  しかしこれがタイヘン!!

標高1500mくらいまではなんと行けたがそこから1400mくらいまでの間が
スズタケの猛攻を受けた。2mくらいはありそうなスズタケが折り重なって行く手
をはばみ、結局折り重なったスズタケを押し倒しその上を歩くのだが、たまに足が
スズタケから外れると足を引き抜くのにたいへん!!。
まるで積雪期、腰まである新雪の上を歩くようで・・・。 
満身創痍で何とか林道までたどり着きましたが。
ササコギもここまでくるともううんざり!! 

白髪池からの帰り道はくれぐれも元来た道をもどりましょう。
ぜったいですよ。


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