岐阜多治見テニス練習会 Ⅱ

菱形と楕円との混在を求めて 20



仕事を午後1時までした。なぜか二日続きの名古屋の裏通り放浪はする気にならず、帰宅。午後3時過ぎ、昼神温泉に行って、骨まであったまろうかな、とも思ったが、忙しすぎる旅程も一瞬頭をかすめ、とつおいつ考えるともなく考えていると、古女房が藪から棒に「剣岳 点の記」を見ないかと尋ねてきた。「明日返却しなくちゃいけないから」と。拒否する理由も見当たらず、見ることにした。名前も知らない俳優ばかりだ。思えば、あまり映画を見なくなって随分久しい。仲村トオル演じる小島烏水が少しきざっぽい。今、しかし、山男ではない普通の人で烏水を知っている人がどれだけいるだろうか。日本山岳会の初代会長。その著作「日本アルプス」は、日本山岳紀行の中の言わば秀峰だ。さて、前置きはこのくらいにしておこう。僕の目が釘付けになったシーンは、はつよと言う名の篠崎の妻が、降る雨をバックに後ろ姿を見せている場面だ。その背中の帯の右隅の模様を見よ。何と菱形と楕円との混在ではないか。僕にはそう見えた。君にもそう見えるはずだ。気品も香りも漂う混在だ。いいじゃないか。この夏、笠原の公民館で見た日本の古い映画を連想する。探していない時に探しているものを見つけることが少なからずある。だから、偶然と呼ぶのだ。僕は人が見ないものを見たいのではなく、自分が見たいものだけを見たいのだ。こじつけが右の車輪なら、偏狭が僕の左の車輪だ。さあ、この僕の横車は、どんな辺境の地へ僕を導いて行ってくれるのか、楽しみと言えば楽しみではある。阿呆と言えば阿呆でもある。南無阿弥陀仏。

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