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しましま*雑記

「自然布つだ」の雑記帳

16年前の糸

2009年03月26日 | 糸のあれこれ

道具一式を譲り受けた時、持ち主が16年前に捺染したという糸が
捺染枠にかかっていた。
ほどいてみると、今では多分なかなかお目にかかれないような
ほそーーい2本取りのブーだった、
何かに生かさなければ。



それは半ば使命感。しかし保存状態もわからないし、
糸だって枠にかかったまま16年前だ。
着尺や帯などは残念ながら責任持って使えない。
ということで、ずーっと巻いたままだった。
昨日ふと思い立って、残糸で織っているものに織り込んでみた。
なんかかわいい。いい感じ。
そうだ、やっぱり織って布にしてあげよう、
どんな小さな布でもいい。
生き生きした16年前の島の空気を閉じ込めた布。
6月のギャラリーストラッセ(西宮市夙川)でお目見えします。
お楽しみに。

鳥も人も春。

2009年03月10日 | 糸のあれこれ
バタバタッと屋根を歩く鳥の足音が
一段とせわしくなったこの季節。
この辺りを縄張りにしている
イソヒヨドリの雄の鳴き声は
思わずラジオを消してしまうほどだ。

私は染めをしながら織りをしてさらに、糸を巻いている。
この糸は島産。
ものすごい糸ホームシックの果てに
巡り会った糸だ。
とある知りあいはこの糸を偶然目にして、
まるで人が変わってしまった。
多分、札束を前にしても変わらないであろうに、
糸の前に乱心したのだった。。。
春だからかなー
そしてもう細い手積みの島産糸は希少価値だから。
細いとか太いとかじゃなくて、
巡り会えた事にとても感謝している。

どうなるかな?

2009年02月20日 | 糸のあれこれ
インドのタッサーシルクを経に
緯は和綿を織り込む四寸帯。
これはもう何本も織ってきたけど、
もの凄く好きな布のひとつ。
好きなんだけど、幅も狭いくせに、
インドタッサーという癖のある糸を使うので、
結構大変手間のかかるやつ。
でも布の風合いが最高にいいので時々織りたくなる。
実は何度も成功もしているが失敗もしている。。
今度は、、どうなるかな?

糸のホームシックの続き

2009年01月27日 | 糸のあれこれ

糸のホームシックになり,
すっかり落ち込んでいたところに出合った文章がある。
この文章が言葉にできない気持ちを全て表していると思った。

「 堅牢でありながら風をはらみ素肌に心地よい。
島の糸素材となる苧麻に芭蕉。それは八重山の空気そのもの。
祖先から培われた知恵によりそうあるがままの島人そのものともいえる。」

全文は「情報やいま」に連載されている「八重山の染織」
ここでも読む事が出来る。
http://jaima.net/modules/taketomi/index.php?content_id=9
織り仲間でもあり,ライターでもある安本千夏さんの文章。さすがだ。

全ての中心は、、

2009年01月19日 | 糸のあれこれ

今、私の時間の中心にはこれがいる。
どんどん手で巻いてもっと大きくなるけど、
とにかくこれが全ての中心。
これ、、とは手紡ぎの麻糸のこと。
一玉織ったら洗濯物を干したい、とか
一玉巻いたら夕飯の支度しよう、とか
一玉巻き終わったら寝よう、とか
それが順調にいくとは限らない。
スムーズだったとしてもしなくても、
とにかく「一玉」が先の行動を全て決める。
寒くても暑くても、手を動かす日々。

糸のホームシック

2008年12月25日 | 糸のあれこれ

なんだろう、この感じ。
糸のホームシックに近い。
大先輩が言う「やっぱりこっちの糸で織りたいわ~」
ため息まじりの本音。
思わず大きくうなずいてしまう。
しっくりぴたっと来るのは島生まれの糸。
糸を差別してるわけじゃなくて、
本当にそう思うのだ。
糸と言うのは、自然だけではない、
それを生み出す人、生活、背景,全てをはらんでる。
わかってたつもりなのに、とことん身にしみた。

この糸

2008年12月21日 | 糸のあれこれ

布は糸で100%決まると思っているので、
個性的な糸を好んで使う。
それはさらに手間がかかる作業が待っているわけだが、
それが自分の仕事だと思っているので仕方が無い。
今使っているこの糸。
一見,大変美しいのだが、
とっても個性的。
どういう風に?というと、
遠い大地の土の色,植物の匂い、績んだ人の手、
風、空気、空の色まで目の前をちらつく。
そしておしゃべりで要求が多い、、
外国語を話すうるさいおばさん、、みたい(?)
夕方どっと疲れるのはそのせいだと思う。


ソープナッツ

2008年10月02日 | 糸のあれこれ

今日は綿糸を精練した。
今回使ったのはソープナッツというムクロジの実、ネパール産。
これが素晴らしくよかった。
精錬後の糸のふっくら具合といい、
匂いといい、
ナチュラルな泡立ちといい、
ソープナッツの姿形といい、
「精錬」というじみーな作業がとっても楽しくなった。。




ソープナッツはこちらで買いました→Cocoon Shop

静寂

2008年06月02日 | 糸のあれこれ

ほんの500頭くらいしかいなかったのに、
その存在感はすごかった。
繭になって久しぶりの静寂、
機音だけが響く。