浦安ナレッジビレッジ

千葉県浦安市の今後について、市民レベルでの議論を行う場にしたいと考えています。

No19.「浦安コペルニクス総研」へバトンタッチ!

2006年12月26日 | Weblog
こんにちは、主催者の大石まさひこです。
2006年の4月より市民主導の政策メディアとして実験を続けてきた、この「浦安ナレッジビレッジ」ですが、前回No.18でも予告した通り、ネット上のみでアレコレ考えるだけのバーチャルな存在から脱皮し、リアルワールドで具体的な活動を展開するNPO(法人ではないので、任意の市民団体と言った方がいいかもしれません)へと変化をとげることになりました。

そこでこのブログもリニューアルすることにしたのですが、これを機にブログごと引越しすることにいたしました。
新しいブログのURLは
http://copersoken.blog85.fc2.com/
その名も「浦安コペルニクス総研・ブログ版」です(笑)。

コペルニクスというのは、ご存じの通り天動説が普通に信じられていた時代に、「回っているのはこの地球だ」と主張した科学者です。
私たち市民は、政治を行っているのは行政(=おカミ)で、自分たちがそれに従っているような錯角をつい持ってしまいがちです。でも本当は、自分たちが暮らし、働き、学ぶ街のことを決める権利と責任を持っているのは、ほかならぬ自分たちです。そのために、税金というお金を出し合っているのです。その使い道について、しっかり意見を表明していくのが本当です。
そこで、新しいブログとその運営母体としての私の私的事務所を、「浦安コペルニクス総研」と名付けました。総研とは総合研究所の略で、いわゆるシンクタンクのことです。シンクタンクというほど大層なもんじゃありませんが、市民主導の市政を研究する機関でもありたいとの願いも込めてみました。「市民自治研究会」とか固い感じにしない方が、なんだか楽しそうだし。

同時に、メールの宛先も変わります。
copersoken@yahoo.co.jp

なお、この旧「浦安ナレッジビレッジ」は、リンク先やコメントも含めて2006年度の記録としてそのまま残します。たまに参考にしてください。
ご覧いただいた皆様、リンク先の皆様、コメントをいただいた方々、ありがとうございました。
では、「浦安コペルニクス総研・ブログ版」でお待ちしています。

No.18 まちづくりリーグ構想

2006年12月14日 | 市民の市政参加
●2006年10月に行われた浦安市長選挙の投票率は、45.7%と低いものでした。これは4年前に比べてもさらに3%低い数字です。自分たちが住む街の行く末に大きく影響する選挙なのに、どうして半分以上もの人々が投票に行かなかったのでしょうか。
多くの人々にとって市政が身近に感じられないのは、「普段の生活と市政が結びついているという実感がほとんどない」からだと思います。市政なんてのは市長や議員や市役所の職員や、あとは一部のヒマがある人たちが関わっているものだ、という感じが、少なからずあるのだと思います。
でも、ちょっと待ってください。普段の生活の中で、例えば「仕事があるのに子供が熱を出して保育園に行けない、どうしよう」とか、「知り合いが救急車で運ばれたのに病院が決まるまで30分待たされた」とか、「今度路面電車ができるようだが、オレの払った税金はそんなのに使って欲しくないぞ」とか、疑問や要望、憤りなどが色々あるのではないでしょうか。そういうのは全部、「市政」と関係があります。

●私たちは、市に対し市税を収めています。それは、自分たちの生活環境をちゃんとしたものにするためです。自分の家や庭は自分の責任において整備し、管理していけばいいですが、社会的なインフラや公共のシステムは、総体として執行する立場にある自治体行政(市)に託す訳です。
だとしたら、市が私たちの期待に答えるだけの施策、サービスを行っているのか、私たちはしっかり見極めなくてはなりません。そしてそのためには、自分たち自身が何を求めているのか、どんなニーズ(行政需要)を持っているのか、明確にしなければ評価できません。
ニーズを明確にするには、今現在どんなことが市で行われていて、どんな計画が用意されているのか、ということも知る必要が出てきます。

●ところがそういうことを知ろうとしても、どこにどんな情報があるのか分からない。分かっても、こちらから出向かなければ手に入らない。時間がかかる。「広報うらやす」に予算は出てるけど、何の事だかこれまたさっぱり分からない。面白くない。関心が持てない。だから、市政と普段の生活とのギャップ感は、どんどん拡がっていくばかりなんです。

このとき、市政と市民との間に入ってこのギャップを埋める機能を果たす存在があったらどうでしょうか。
・情報をわかりやすく交通整理し、提供する情報基地機能
・雑談レベルの会話の中から、地域や行政の問題点・課題を導き出すシンクタンク機能
・ニーズを掘り起こし、適切に情報や人を結び付ける媒介機能
この3つの機能を担う専門の「ファシリテーター」が、地域の中で月一回でもいいから定期的にミーティングを行い、「自分たちのまちの事を自分たちで考える」手助けをする。ミーティングは基本的に自主性を重んじ、参加したい人がいつでも参加できる。続けていくうちに、問題点を日常的に意識するようになる。議論や討議が習慣化する。誰かが持っている「知」が、共有・進化する。そしてコンセンサス(総意)を紡いでいくプロセスが実感を伴って理解されていく。これが、私が考えるまちづくりNPOの姿です。

●実は、これと非常に近いことが、今浦安市で実行されています。200人規模の委員を集めた、
第2期基本計画策定浦安市民会議(通称・市民会議)です。これはとてもいい試みだと思います。ただ、残念なことに
・行政主導のため、市民主体の議論になりきれない
・期間限定のため、進行スケジュールが決まっている
・参加者以外をなかなか巻き込めない
という弱点があります。これを補完し、日常的に、継続的に市民主導でもやってみよう、というのがこの「まちづくりリーグ構想」です。

●答えはすべて、現場に内在します。地域に住む人々が、情報と、地域エゴではない総体的な視野を手にした上で、地域ならではのニーズをはっきり認識し、表明するならば、時々のテーマに対してイエスorノーを言う基準がはっきりします。予算に対して「ここが問題です」と指摘できます。どういう計画が必要で、実現のために何をすればいいのか、が見えてくるはずです。
やがて市政と生活の距離感は解消されて、投票率も60%、70%と向上していくことが期待できます。

●2006年内に、具体的なアクションプランを表明します。公民館の会議室などを利用して、設立主旨説明のミーティングやワークショップを開きたいと考えています。
これに伴い、次回記事より本ブログのリニューアルを行います。

●これまで「浦安ナレッジビレッジ」では中立不偏の立場を守るため、匿名で運営して参りました。しかし今後は、地域に出て活動する以上、立場を明らかにし責任を明確にする必要があると考えます。そこで今回は署名記事とさせていただくことにします。今後ともよろしくお願い申し上げます。

浦安まちづくりリーグ 発起人 大石まさひこ(舞浜在住)
e-mail ukv_2006@mail.goo.ne.jp

No.17 2006年総括、そしてNEXT STEPへ

2006年12月13日 | 市民の市政参加
●おひさしぶりです。
平成18年4月1日にこのブログを開設して、約9ヶ月が経ちました。
浦安市は今年、市制施行25周年記念パレードや市長選挙、また200人規模の市民会議の開催など、大きなイベントが相次ぎました。そんな中で、行政の主導で行われる市民参画とは別に、街に暮らす普通の人々の手によって「まちの課題」を明らかにし、討議できる場があったらいいなあ、という素朴な発想から、私はこの「浦安ナレッジビレッジ」を実験的に運営してきました。
2006年も間もなく幕を閉じます。そこで今回は「浦安ナレッジビレッジ」という「場」そのものについて、反省してみることにします。

●ブログというメディアは、コメントやトラックバック、あるいはメールというネットワーク上のつながりをツールとして、コミュニケーションの輪を拡げていくものです。そこで「浦安ナレッジビレッジ」では、時に応じていくつかのテーマを掲げ、幅広い方面からの反応を期待してみたのですが、実のところそれほどの反響はありませんでした。
理由は色々考えられます。こちらからのボールの投げかけ方がうまくなかった、内容がつまらなかった、信用を獲得できなかった、更新が少なかった、そもそもブログの存在が知られなかった、等々・・。
しかし一番の問題は、結局「ネットはネットでしかなかった」ということなんじゃないか、という気がするのです。バーチャル空間の中でいくらワーワー言ったところで、実際に日常生活を送り、働き、暮らしているたくさんの人々の耳に、いったい何がどれだけ届いたのか。もし本気で市民の間に自主的な議論、討論、コミュニケーションの風土を作ろうと考えるのなら、リアルな世界でそれをやっていかなければやっぱりダメなんじゃないか、というのが、9ヶ月実験を続けてみて見えてきたひとつの答えです。

●そこで、この「浦安ナレッジビレッジ」を今後どう使っていくか、はひとまず置いといて、今度はリアルワールドで具体的なアクションを起こそうと考えています。簡単に言えば、「まちづくりNPOの設立」です。
「地域に暮らす人々自身がまちを動かす仕組みづくり」を目指して、まず浦安市内に複数のワークショップを作ります。それらをネットワークして、行政主導や議会等とは一歩距離を置いた、自主的な「まちづくりリーグ」を形成します。市民主体の「まちづくりリーグ」が、行政や議会、市民会議などと公式・非公式を問わず連携・協働していき、市民感覚と市政との間の距離感をとっぱらおうというのが、この構想の狙いです。
詳しくは、次の記事 No.18に述べたいと思います。