浦安ナレッジビレッジ

千葉県浦安市の今後について、市民レベルでの議論を行う場にしたいと考えています。

No.16 公職の説明責任を考える

2006年10月13日 | Weblog
前回(2002年)の市長選挙直後、八千代市長と某企業との間で贈収賄疑惑が発覚しました。
これが浦安市にも飛び火して、その企業を八千代市長に紹介したとされる現職の浦安市長に疑いがかけられ、4年後のいま、この話題が再燃しています。

贈収賄で社長が逮捕されたこの企業と、現職の浦安市長が経営する会社との間で多額の企業間取引があったことをめぐって、一時「企業間取引を装った政治資金の受け渡しではないか」という疑いがおこりました。これに対し現職市長は「会社としてちゃんと仕事をした結果の正当な営業報酬であると税務署も認めており、疑いは完全に晴れた」と主張されています。

この問題をめぐっては、市議会や百条委員会、また議員の日常的活動などを舞台に、「政治倫理」とか「疑惑解明」などといった言葉を切り口として「真相はどうだったのか」という議論(?)が延々と繰り替えされてきました。このあたりの経緯は、市議会議事録や議会だよりをご覧いただければと思います。

私は、この問題のキーワードは「説明責任」だと考えています。
「政治倫理」や「疑惑解明」といった、ある種の予断を与えるイメージの言葉を使うと、追求する側と答える側の、双方の主張が噛み合わず水掛け論に陥ってしまう危険性があるからです。

現職の浦安市長の主張の論旨は、「市長に求められる説明責任の範囲は、あくまで市政に関する事に限定され、それについては十分果たしている。それを超えるプライバシーや家計、民間企業としての取引に関しては、責任は及ばない。」というものです。そして「公と私はきちんと区別しなければならない」と終始一貫主張されています。
首長という公職にある者も、人間ですから当然「公」人としての顔の他に、「私」としてのアイデンティティを持っています。この2つは区別されるべき存在だから、「私」の領域に「説明責任」はない、という訳です

しかしこのケースでは、「公と私をきちんと区別し難い条件」が存在します。

●市長がプライベートにビジネスパートナーの関係を結んでいたのは、市の業務を依託する先の業者である。
公的機関である行政組織体の長であれば、誤解を避けるためにも本来は避けるべきことと思います。これにより公と私の境界があいまいになってしまうからです。

●ビジネスパートナーの関係にあった相手が、逮捕・有罪判決を受けた(すなわち公正でない)。
公正な企業と公正に取引しているのであれば、市民は余計な心配をしません。なぜ問題を起こした企業と取引関係を結ぶことになったのか。そしてその私的取引の内容に問題はなかったか。
この点を説明しない限り、市民は安心して政務を信託できないと思います。「公」と「私」とで立場は違っても、市長自身が同じ人物であることにかわりはないからです。

●また浦安市は、この業者に対し清掃事業の委託を停止したり、再び結んだりしています。その際、契約の比率や額が大きくなりました(実際は以前と同じです、という市の説明がありました)。このあたりの経緯や事実認識に関して、現職市長は「担当部署に一任していて、把握していなかった」と答弁されています。
清掃事業の委託業務は、多額の費用と環境への影響を伴う重要なアウトソーシング案件です。それに対し、首長自らのチェックシステムが機能していないのは、やはり問題があります。
「私的にビジネスパートナーの関係を結ぶほどの間柄の業者だったから、公的な取引面においては誤解を避けるためあえてタッチしなかった」とすれば、それは本末転倒になります。「公」の責任が果たし難くなってしまいます。

次の4年間、どんな方が浦安市の舵取り役を担っていくのか、今はまだわかりません。
ただ、公職に就く立場の人は、公私の領域区分が難しく、説明責任は「私」の領域にまで及ぶ場合がある、ということを強く認識していただく必要があるのでは、と私は考えます。
皆さんはいかがお考えでしょうか。

No.15 浦安市長選その2

2006年10月05日 | Weblog
市長選告示日まで、あと10日となりました。その1週間後には、今後の4年、いや浦安の将来を左右することになる、新しい市長が選出されます。
前回、新人候補の政策比較表をアップしましたが、現職の政策に関する情報も入ってきましたので、それを含め追加修正したバージョン2を画像で用意しました。
画像をクリックすると大きく表示されます。
また、月一回発行の地元紙「浦安ニュース」の10月1日号に、立候補を表明する4名のインタビューが掲載されていますので、下記にそちらのリンクも示しておきます。

浦安ニュース・候補予定者インタビュー(50音順)