ポケット短歌。-ウクレレ式短歌blog-

短歌、川柳、日々のことなど

久々に出会いし友とチューニングするかのごとく話題を弾く

森田一平のイグアナ短歌~矢・豆・可・可・欠1

2009-10-03 10:45:13 | イグアナ短歌
・手をあげて左右確認して渡るもう止められない房総半島

・返事だけいいが行動伴なわぬ溶けて流れたソフトクリーム

・拒否をするホワイトアスパラガスになる白いパラソルくるくる回る

・まあいいかということにしてお向かいの晩ご飯食うとなりのトトロ

・コンビニの灯りが怖い都会ではひとりぼっちのダイダラボッチ

・ラーメンのどんぶり鉢に棲む竜の逆鱗にふれひっくり返す

・スイッチオンレディース&ジェントルマン秋の夜長に手招くススキ

・人相の悪いパンダが今日もいて歩いていたら殴られました

・絶滅の危機と言われていたはずの静止画像は一匹狼

・鉢巻を締めて挑んだ短距離走もがき苦しむ二人三脚

・内角の高めで君をのけぞらせ嘘八百の八百屋のキャベツ

・取りとめのない会話する日曜の時限爆弾やさしく歌う

・悔しくて悔しくてもうジャンケンは二度とやらないバルタン星人

・きっぱりと説明責任果たすため僕はこれだけ図太くなった

・相談に親身に乗ってくれたから生命線を延ばしてやろう

(森田一平)

森田一平のイグアナ短歌~ガラパゴス諸島のアスパラガス1

2009-09-27 10:02:41 | イグアナ短歌
・あいまいな輪郭線を引き千切り足跡だらけになった教室

・行間にあるはずのない真実の曲がるすべなき太陽光線

・消印は有効ですかと尋ねられ赤くなるしかなかったポスト

・サイボーグになるはすだった悲しみは最終バスに走って乗った

・ヒーローになれると思う10月のあるはずのない背中のマント

・瞳孔がひらく信号青になりシマウマたちが手を挙げわたる

・今日もまた目覚ましテレビ見てねむる充血してる花火職人

・トランプをうまく切れない理由だけ自信たっぷり銃口のぞく

・爆弾を真似て作った浪平の消去法でしか出せない答え

・常識を裏返して履くジーンズはコッペパンほど味気なかった

・やわらかなヘルメットしてウサギらが歯で噛み砕くこんにゃく畑

・どこまでも続くのだろうアスファルト食前食後に胃薬を飲む

・愛してる郵便ポストの赤さだけ瞳の奥で腐って死んだ

・宝石でおはじきをして遊んでたベリーキュートな朝顔美人

・字余りに気づいたとたん輝いたアスパラガスのバスガス爆発

(森田一平)