1971年にオータサンが日本のポリドール制作で吹き込んだLP盤『南国の夜』音源を曲順まで原盤と同じく忠実にCD化した再発盤(2008年)。ビクターと同様、ポリドールにも日本独自制作が何枚かあったようで、その中の一枚。今回はオータサンの、というよりはあくまで「ムード音楽のCD」としての復刻で、演奏者の名義は「ハーバート・オオタとサーフサイド・ストリングス・オーケストラ」。このアルバムは収録曲を一部差し換えて80年代にも『The Waves and The Sun』という別タイトル&ジャケットのアナログLPでも再発が一度組まれていて、そちらもいずれご紹介する。
音の方はまさにCD化の趣旨通り、管弦楽オーケストラや女声ファルセットを配したオーケストラに乗って、オータサンがいつもにも増してロマンチックかつムーディにウクレレを奏でている。残念ながらミュージシャンや編曲家については記載がなくわからないが、レス・バクスター的な和製エキゾチカ/モンド・ミュージックとしても再カテゴライズできそうな一枚。左右ハッキリ分離したステレオのオーディオ効果もいかにもといったところ。
ミュージシャンの人数が多ければそれだけギャラも増え、きちんとした編曲家も雇う必要があるなど制作予算が余計にかかる訳で、このように豪華なオーケストラをバックにしたここでのオータサンは非常に感情のこもった抑揚ある演奏を聴かせており、ウクレレ演奏による音楽的な充実度という意味では隠れた名演集という気もする。時代遅れな音楽ジャンルという先入観は一旦忘れて、一度じっくりと耳を傾けてみてほしいところ。
あくまで日本国内マーケット向きなので、選曲も日本で人気の高いハワイアン楽曲が選ばれている。曲目だけ見て安易な企画盤と思う勿れ、ウクレレの神様オータサンは片づけ仕事ではなくしっかりとした演奏を聴かせている。
1. 南国の夜
2. ひき潮
3. ダヒル・サ・ヨ
4. ハワイアン・ウェディング・ソング
5. ラハイナルナ
6. ハーバー・ライト
7. 珊瑚礁の彼方 に
8. ブルー・ハワイ
9. 小さな竹の橋
10. ハワイ
11. ヤング・ハワイ
12. バリバリの浜辺
13. 真珠貝の歌
14. アロハ・オエ
2. ひき潮
3. ダヒル・サ・ヨ
4. ハワイアン・ウェディング・ソング
5. ラハイナルナ
6. ハーバー・ライト
7. 珊瑚礁の彼方 に
8. ブルー・ハワイ
9. 小さな竹の橋
10. ハワイ
11. ヤング・ハワイ
12. バリバリの浜辺
13. 真珠貝の歌
14. アロハ・オエ
ラストを飾る「アロハ・オエ」ではザブンザブンと波の音のSEから始まって、雄大なフィナーレとなる。