
昔、ある一人の貧乏人がいた。貧乏から何とかして逃れようと観音様に願をかけたところ、「初めに触ったものを、大事に持って旅に出ろ」とのお告げをもらった。男は観音堂から出るやいなや石につまずいて転び、偶然1本の藁しべに手が触れた。・・・で始まる物語「わらしべ長者」の舞台、長谷寺へ。
近鉄長谷寺駅、10時40分着。駅から急勾配の下り坂を歩く。帰りは上り坂になるのだと当たり前のことを思いながら国道165号を横切る。この辺りからゆるやかな上り坂で長谷寺まで道の両側に店舗が並んでいる。駅から15分ほどで西国8番札所長谷寺に到着。
拝観受付を済ませ、仁王門をくぐると399段の登廊が続いている。
仁王門 登廊
盛りをちょっと過ぎているが牡丹の花を愛でながら大悲閣へと向かう。
牡丹 大悲閣
ご本尊の十一面観音さんの前に立ち般若心経を唱える。錫杖を持った長谷寺式観音さんは身の丈10mを越す。見上げれば観音さんが静かな眼差しで巡礼者を包み込んでくれる。ご朱印をいただき舞台からこもりくの泊瀬を眺める。絶景。
境内を散策していると法螺貝の音が聞こえる。毎日正午に吹き鳴らされるそうだ。
桧皮葺きの五重塔をめぐってまた登廊へ戻る。途中わき道へ入るところに二本の杉(ふたものすぎ)の立て札がある。源氏物語の「玉鬘の巻」に登場するあの二本の杉。話の種にと拝見する。
五重の塔 二本の杉
この日はもう1箇所、西国三十三所巡礼を始めた徳道上人の御廟所がある番外の法起院へ向かう。門外に位置するが
ここも長谷寺の塔頭である。納経をすませご朱印をいただく。お庭に「はがき」の由来となった言われる多羅葉樹がある。
法起院 多羅葉樹
札打 2012年5月10日
豊山 長谷寺(ぶざん はせでら)
宗派 真言宗 豊山派総本山
創建 朱鳥元(686)年
御本尊 十一面観世音菩薩
開基 徳道上人
御詠歌 いくたびも 参る心は はつせ寺 山もちかいも 深き谷川
豊山 法起院(ぶざん ほうきいん)
宗派 真言宗 豊山派総本山
創建 天平7年(735)年
御本尊 徳道上人像
開基 徳道上人
御詠歌 極楽はよそにはあらじわがこころ おなじ蓮(はちす)のへだてやはある
おまけ
今日のお土産は長谷寺名物の草もち。寶園堂さんで「よもぎあんの草もち」を買って帰る。
普通の草餅は中に小豆餡がはいっているが、ここのは緑の餡が詰まっている。
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