いま学生時代からの友人が西国三十三所観音巡りをしている。巡礼中の人達がそれぞれの思いを抱いて観音霊場を訪ねるように彼もまた彼なりの思いを持ってのことと想う。
私も前々から西国三十三所巡礼には関心があり訪ねてみたいと思っていたのでお互いのスケジュールが合った時には同行させてもらっている。聞くところによると彼の三十三所巡礼は半数を超えたらしい。着実に三十三番札所の満願に向かって観音巡りを進めているようだ。
自分のほうはというと計画性もなくその時々の成り行きまかせのお詣りである。
お詣りといっても観音さんに特段何をお願いするということでもなく、ただ観音さんにお会いできることに感謝し般若心経を唱えるだけのことである。それと日ごろ疎遠になりがちな三十数年来の友人と会話ができる機会が持てることも観音さんのお導きと思える観音巡りである。
もともと彼とは性格も考え方も違うところがあり、巡礼に対する思い方も異なるのだろうが、お互い妙にウマが合い30年以上も交流できているのも言いえぬ縁というものだろうか。
若いころによく読んだ武者小路実篤さんのことばが思い出される。
「君は君 我は我也 されど仲よき」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます