心の友だち

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吃音の話 137~ 吃音の治療法・治療機関(2) 

2016-10-07 09:27:24 | 吃音

吃音の原因のとらえ方の違いによって、治療法も異なってくるわけですが、
治療機関も異なってきます。

従来からの一般人のとらえ方は、「吃音は悪いクセ!」というものです。
子供が言葉に詰まったりしていると、「あわてないで、落ち着いてゆっくり話
しなさい!」などと言われます。
言うべき言葉は意識されているのですが、発声器官を動かす能力が未発
達なので、脳のスピードに身体がついていけないといったことが起こってき
ているわけです。
この場合は、脳の回転のスピードを落として、発声器官がついてこれるよう
にすれば簡単に治ります。

ところが、成長するにつれて、こうして習得した能力というものは、脳に染み
込んで定着していきますが、そのままに放置してしまった悪癖も脳に定着し
たままになってしまいます。
成長してから、こうした悪癖を治そうとしても、なかなか難しいことは、それ以
外のいろいろな事柄を考えてみてもお分かりのことでしょう。

こうした考え方から吃音にアプローチするのが、言語聴覚士や民間の矯正
所だと思います。
言語聴覚士は、「成長しきった大人は治らない!」といって治療を放棄します
が、民間の矯正所は「言語訓練によって改善する!」という考えのもとに努力
しています。放棄してしまえばそれまでなので、吃音者としては、少しでも改善
できるよう頑張るべきでしょう。

また、最近の傾向として、アメリカなどでは機材を使用した言語訓練を行なう
ことで、完成してしまった脳内の回路を修復していこうという試みもなされてい
ます。
これは、リハビリテーションの考え方といってもいいかと思います。
脳梗塞で脳の一部が壊死してしまっても、リハビリを行なうことによって回復
してくることが報告されていますが、脳内の回路も改善できる可能性があるの
です。

いいイメージを持って言語訓練を行なえば、吃音が改善する可能性があると
考えるわけですが、この「いいイメージ」を作り上げる方法として、認知行動療
法や自律訓練法があります。

認知行動療法というのは、簡単に言えば、「なれること」です。
民間の矯正所でスピーチの練習をさせるのは、同じ吃音者仲間の中でのスピ
ーチなら緊張もおさえられるので、それを繰り返すことで改善されていくと考え
ているからです。
最初は緊張しますが、何回も繰り返していくうちに、話す前に異常に緊張して
発声器官を硬直させてしまう状態を認識できるようになります。
普通に近い精神状態と適度な緊張感を保って話せるようになれば、吃音から
解放される日もそう遠くはないでしょう。

こうしたことは指導者は教えることができません。自分でつかみ取るしかないの
です。だから、「あそこの矯正所はいいけれども、あそこはダメ!」というのは、
基本的にはないということになります。
最終的には自分自身の努力と感性にかかっているのです。