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gughoi

フロベニウスは年も一番若く

2013-11-25 11:13:47 | 日記
フロベニウスは年も一番若く,講義はガロアの理論や整数論で,内容は別段変ったことはないが,講義振りは実にキビキビしたもので,ノートなんか持たない,本当に活きた講義といったものを生れてから初めて聞かされたのである.フロベニウスは少し怖かった,というには訳がある.私がドイツへ往く少し前に,ちょうどその頃理学部の少壮教授が数人新たに帰朝された.だからドイツへ往くなら,そういう方にいろいろ注意すべきことを訊きいてゆくがよかろうというので,いろいろ御話を伺った.すると,「君,フロベニウスの処へニューバランス スニーカー行くなら余程注意しなければいかぬ」というのである.それはフロベニウスが学部長かなんかに成ったときに就任演説をやった.その時に,ドイツの科学の進歩を大いに自讃したわけである.それで外国人が頻りにドイツへ科学を勉強に来る.アメリカからも来れば,何処からも来る.近頃は日本人すら来る.今に猿も来るだろう――と言ったそうである.まさかそういうことを公開の就任演説で言った訳でもあるまいが,いくらか誇張して話されたのであろう.
 このように日本人を軽蔑するフロベニウスであるから,フロベニウスの処へ行くなら,その積りで,よく覚悟をして行くがよかろうと,まあ大いに嚇おどかされたのである.しかし実際行って見ると,そんな怖いこともなかった.私が何かある問題を持って,先生に訊きに行ったことがあったが,その時先生は,それは面白い,自分でよく考えなさい,Denken Sie nach! といっていろいろな別刷などを貸してくれた.この「自分で考えなさい」も,思えば生れて初めての教訓であった.当時フロベニウスは群指標の理論をやっていた最中であったが, http://www.newbalancejpheya.com/そんなことは講義には少しも出ない.セミナリでも,コロキウムでもちっとも出ない.猿に近い日本人ばかりでなく,ドイツの学生でも,つまり相手にしないわけである.そんなものはちゃんと秘蔵というか,学生なんかに公開しない.だからベルリンに居ながら,フロベニウスの群論を知らずに居たのである.