R55指定の「おしゃれチャラ爺」のサイトへようこそ!
これは、自他ともに認めるチャラい爺さんである服好きな「チャラ爺」が、俺は負けた(ほとんど負けてますが)!と、
思われる街で見かけたチャラい55歳以上の男性の発見日記です。日本のおっさんもこうして見るとなかなかおしゃれ!
さて、今回はいつも書評を書いてくれている冷布亭氏の登場だ。彼自身も本が大好き&服が大好きなチャラ爺で、いつも神田神保町界隈を、チャラチャラと散策している。
今回は買ったばかりの革ジャンを着て登場。赤を買おうか茶を買おうか迷いに迷った末、結局無難な茶を買ってしまったのだが、そういう自分の無難さが哀しい。
心の中では赤を買って、湘南に愛車でドライブ~。ついでに女の子も口説いちゃう~。と行きたいところだったんだんだけどね♡。
今後も彼の妄想と現実のギャップの買い物を楽しみにしたいチャラ爺なのだ。
ここで一句お願いしてみた。
古本を ふところ抱いて 赤提灯
古本は あたたかいと知る 神保町
by 冷布亭
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チャラジーノ・ブックスタンド by 冷布亭
第7回 小林公子
「フォレスト・ヒルズを翔けた男―テニスの風雲児・原田武一物語」 新潮社
チャラ爺たるもの、チルデンセーターも、ラコステのポロシャツも名テニスプレーヤーの名前を冠したところはご存知のことと思います。ビル・チルデンは1920年代に活躍したアメリカ人プレーヤーでウィンブルドン3勝、全米は実に7勝も挙げている、当時世界ナンバーワンの実力者です。フランスのルネ・ラコステも同時代にウィンブルドン2勝、全米2勝、そして全仏3勝を挙げながら、わずか25歳で引退し、その後スポーツウェアブランド「ラコステ」を創業した快男児です。
そのチルデンやラコステらと、全米オーブンの開催地フォレスト・ヒルズやウィンブルドン、デビスカップなど世界の各地で戦ったのが、本書の主人公、原田武一です。
原田は1899年岡山の素封家に生まれました。ちなみに1899年生まれというとハンフリー・ボガードやアル・カポネ、ヘミングウェイがいます。本書カバーの写真を見るとおり、なかなかのイケメンで洒落男です。
原田は慶応大学に入学するとテニスに熱中しますが、授業の出席は1年間でわすかに14時間、銀座で遊び回り、試合の前日帝国ホテルに宿泊、窓から数人の芸者を入れ、翌日の試合に連れて行くといった豪放ぶり。それでも研究熱心、練習熱心な原田は全日本選手権に優勝し、ハーバード大学に留学します。親からの仕送りの金で購入した自動車でテニスクラブに通い、さらにテニスにのめり込むのです。
本書は原田の試合の数々を紙面に再現していますが、惜しむらくは彼が活躍した時代の背景や社会情勢をもう少し書いてほしかったと思います。彼が彗星のようにテニス界に現れたのはまさに大正デモクラシーの頃。しかしそれも10年も経ずして日本は軍国主義の波に侵されていきます。その中で日本一であり続けた原田の存在はどんな光を放っていたのか、もっと知りたいところではありました。