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Twelve Liberty

ブログへようこそ。大切な連絡、日常、愚痴、観劇感想等混在してます。

オリジナル小説 『アンドロイド01』 プロローグ

2005-11-11 11:01:42 | novel(オリジナル)
◇アンドロイド◇

 8月×日 晴れ ―――死亡確認。

 その日は30℃を越える真夏日だった。
「本人の確認が取れました」
ごく普通の何処にでもいるような人間。死因は出血多量によるショック死。
気だるさの残るこの街も、そろそろ夏の終わりが迫ろうとしていた。死を意味するその季節は、全てのものを無にする為にやってくる。
『―――――』
 その季節を作り出した張本人の死で、全てが音も無く崩れていこうとした。
「あれはいかがされますか」



一人の天才によって造り出された人間そっくりのアンドロイド。
決して人間の意思に背かず、忠誠を持って一生を共にするよう造られた過去の産物。十年という月日が経った後、人間ト変ワラヌモノトナル永遠を持つ物。
 例え人間と変わらぬ存在になったからといって、アンドロイドであって人間ではない。

絶対など長くは続かなかった。一部のアンドロイドを除いたアンドロイド達は僅か何年かで暴走し、人間に危害を加えた。暴走しなかったアンドロイド達は封印された。
ツクリテによって、夏の終わりと共に暴走するようプログラムし直されたのだ。惨劇。

「私に、任せろ」
それは自らツクリテの意志にそむき、アンドロイド達を封印し、人間の為に動いたアンドロイド。
『リマイン』
人間と共に運命を背負う者として生を受けたアンドロイド。そしてそののちに自らの手では無く、人間によって封印される事を望んだ。
「安らかに」
コメント (1)
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こちらもついに期間限定での解禁

2005-11-08 15:07:53 | novel(オリジナル)
己が道を行け(次代編)。とうとう載せてしまいましたよ。
しかも、プロローグのプロローグ(笑)いったい何?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが。完全趣味丸出しの展開が今後待ち受けている話でございます。
ちなみに、主軸家の二代目爽麻&三代目琴乃のお話でございます。(若干の身内にのみ分かるものです。すいません)
期間限定でのとあるように一週間だけの公開です。11月15日にはブログ上から削除します。
この関連の話を今5作同時に執筆中。
本来の主軸で展開されるのは、三代目の息子、四代目の話なのです。今回のは彼の祖父&母のお話。
今思い出しましたが、微妙に少し前授業の中で公開したものと若干展開、設定などが変わりました。(でも、初めの部分しか載せてないので分かりにくいですね・苦笑)以前授業の方でのを見た身内の方で違いが分かる方がいらっしゃったら、それはそれですごい。
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オリジナル小説 『己が道を行け(次代編)』 プロローグ

2005-11-08 14:50:19 | novel(オリジナル)
■己が道を行け(次代編)

 二十九になって彼、爽麻は己が岐路に立たされていた。
 彼には幼なじみの妻と今年十歳と七歳になる二人の娘が居る。

 能力の有無は両親から受け継ぐ型を用いる、血というものが多く関わってくる。 
 そのため両親のどちらかが能力を持ちさえすれば、差さえあれ確実に持って生まれいずることになる。
 しかし、能力の開花は別だ。そのためこの段階で約半数が消える。残った約半数が六歳で能力開花の儀を行い、制御のため一時封印をする。
 その後七歳~十四才まで能力者としての修行に励み、期間中その者の器が測られ、異界の住人“禽獣”に認められた者のみが“契約”を結び“眷属”とする。



 彼には能力者としての才が有る。そして彼の娘にも・・・・・・。
 

 己が行く道を・・・。



 彼は最近繰り返し同じ夢を見ていた。
 黒い影に追られ、どんなに逃げようともがくのだがどうしても逃げ切れないと思ったとき、いつも“彼”に助けられる。
 逆光で輪郭のみしか確認出来ないのだが、“彼”が誰なのか知っている。幼い頃からあまり一緒に居た記憶は無いものの、決まって一緒のときは十分すぎる愛情をおしみなく注いでくれた存在。
「父さ・・ま・・・」
 父親の顔は、思い出したくても思い出せないところまできていた。だが彼が父親であるのはまぎれもない事実。彼の記憶が、能力者としての直感がそう告げる。

 そして、それが意味することも・・・。

「やはり・・・変わらぬか・・・」
 何度占っても結果は変わることはない。
「爽麻よ。毎日毎日何を占っている?」
 ここ何日も爽麻は、机に向かい何事か占っていた。
「真朱か。いや何、たいしたことではない」
 真朱と呼ばれた齢十六七に見える彼はそれよりもはるかに長い年月を生き、“契約”の名の下人間の眷属となった異界の住人。彼らは”禽獣”と呼ばれる。
 それぞれに属性、種族が幾多もある。
 彼は火属性、狼族。通称、火狼。
 その双眸は黄色みの強い橙、風になびいたやや赤みのある毛色の美しさがあまりに印象的で、真朱(しんしゅ)そう眷族にするときに名付けた。
「そうは見えないが・・・」
 二つの気配が部屋の前に現れる。
「お呼びでしょうか、爽麻様」
 彼女もまた眷属。水土属性、麒麟族の藍凛(あいりん)。
「何用か、爽麻」
 三眷族の中で、見た目こそ幼いがこの中で一番の年長者である土属性、竜族の土竜(にたつ)。
「皆そろったな・・・・・・」
コメント (2)
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