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日本かつお・まぐろ漁業新聞 "THE JAPAN TUNA TIMES"

ジャパンツナ・ニュース 責任あるまぐろ漁業

水産庁、小型マグロ漁の停止勧告 漁獲枠超過の恐れで漁業者らに

2019-03-31 08:41:09 | 日記

水産庁、小型マグロ漁の停止勧告 漁獲枠超過の恐れで漁業者らに

クロマグロの水揚げ
クロマグロの水揚げ

 水産庁は29日、太平洋クロマグロの小型魚(30キロ未満)の漁獲量が割り当てられた漁獲枠を超過する恐れがあるとして、沖合で漁をする一部の漁業者に対し、小型魚を狙った漁や小型魚が釣れる可能性のある海域での漁の停止を勧告した。

 水産庁によると、漁業者は既に62トンの漁獲枠の約9割を消化。このままのペースで漁獲すると4月には枠を超えると見込まれるため、勧告を出した。さらに漁獲が続き、枠を超過する可能性がより高まったと判断すると採捕停止の命令が出される。命令に従わない場合は罰則が適用される。

 小型魚の漁獲枠は日本全体で今年1月から2020年3月までの漁期で3757トンある。


来期マグロ漁獲枠拡大 大型291トン、小型は11トン

2018-12-20 11:46:03 | 日記

来期マグロ漁獲枠拡大 大型291トン、小型は11トン

 水産庁は19日、水産政策審議会資源管理分科会で、太平洋クロマグロの漁獲枠を示した。道内の来漁期(2019年4月~20年3月)の沿岸漁業については、大型魚(30キロ以上)には今漁期より82・9トン多い291・3トン、小型魚(30キロ未満)には3トン多い11・3トンを配分した。都道府県間で漁獲枠を融通できる仕組みも取り入れる。既に実施されている意見公募を踏まえ、年内に正式に決める。

 大型魚は年により来遊数が大きく異なるため、直近3年間の漁獲量の平均実績と最大実績の差の75%を上乗せした。大型魚は今漁期(18年7月~19年3月)から罰則付きの漁獲可能量(TAC)制度の対象となり、都道府県別の漁獲枠を設定したが、説明不足などから漁業者の不満が噴出し、期中に追加配分した。

 道内の小型魚は、函館・南茅部地区の定置網による大量混獲で前漁期(17年7月~18年6月)に漁獲上限を大幅に超過したことから、来漁期も実質ゼロとなるが、定置網漁などの混獲枠として配分。来漁期は今漁期より3カ月長いため、その分を上乗せした。

 都道府県間で漁獲枠を融通できるルールでは、道内の大型魚と他都府県の小型魚の枠を融通することも可能となる。

 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は10~14日に米ハワイで開いた年次会合で、国ごとに割り当てた漁獲枠の上限に達しなかった場合、19年から上限の5%までを翌年に繰り越せることを決めた。使い切れなかった分を翌年分に上乗せできるようにし、資源の有効活用につなげる。来期の沿岸漁業の全国の漁獲枠は大型魚が今漁期より465・1トン多い1571トン、小型魚が315・4トン多い1863・5トン。(小森美香)


北海道内マグロ漁 今期4万匹放流 資源保護効果に疑問も(日本かつおまぐろ)

2018-12-20 11:43:09 | 日記

北海道内マグロ漁 今期4万匹放流 資源保護効果に疑問も

 道は太平洋クロマグロ漁で、道内の今期(7月~来年3月)の小型魚(30キロ未満)漁獲枠が「実質ゼロ」となったことから、漁業者が網などにかかった後、放流した数が7~11月の推計で3万7800匹に上ると明らかにした。大型魚(30キロ以上)を含めると、4万匹に達した。一方、マグロは繊細な魚種で逃がしても死んでしまう可能性が指摘されており、生存率を高める放流方法の普及や、地域を超えた漁獲枠の融通で放流数自体を減らす取り組みが課題になりそうだ。

 国はクロマグロの資源管理のため、今期から法規制を導入。道内の漁獲枠は、道南で昨期の枠を大幅に超えた小型魚を実質ゼロ、大型魚を208トンとした。

 道は漁業者に目視で小型、大型魚別に放流数を推計してもらい、各漁協の報告をまとめた。地区別では小型は南かやべ漁協(函館市)が2万6100匹と7割を占め、その他の渡島管内が1万1千匹、後志、胆振など他の管内が700匹。大型は、小型魚と一緒に網から逃げるなどした2220匹で、同漁協分が9割を超えた。全体の漁法別では、定置網が3万1200匹、一本釣り・はえ縄が8820匹。計4万匹は重量換算で数百トン規模とみられる。

 一方で、放流が必ずしも資源保護につながっていない、との見方もある。

 定置網漁では網をたぐり寄せ、マグロを確認した時点で網を開放するか、たも網で逃がす方法が一般的だ。これに対し、クロマグロの飼育展示で知られる葛西臨海水族園(東京)は「マグロは口を半開きにし、泳ぎ続けることで酸素を取り込むため、動きが止まると呼吸できなくなる。定置網を狭めると酸欠になりやすく、一度酸欠状態になると回復しない」と指摘する。

 マグロの生態に詳しい東京海洋大の秋山清二准教授によると、定置網のマグロをたも網でいけすに移す実験で、約60匹が翌日には全部死んだこともあった。同准教授は網で魚体が傷つくなどしたためとみており、目の粗い網から小型魚だけを逃がし、大型魚を捕る定置網の活用を呼びかける。

 放流は漁業経営にも影響する。南かやべ漁協は定置網の開放などで放流をしたが、大型マグロやサケ、ブリも多数逃がす結果になったという。同漁協幹部は「国は漁業者の努力を理解し、小型魚の枠を少しでも増やしてもらえるよう、配慮してほしい」と要望する。

 国は来期、都道府県間で漁獲枠を融通できるルールを新設する方針。枠に余裕がある地域と不足する地域の調整が進むか、注目されている。(佐々木馨斗)


太平洋マグロの絶滅危機と未来──鮨の神様、小野二郎が“最後の築地市場”で訴える(日本かつおまぐろ)

2018-12-18 09:17:20 | 日記
Japan’s Tuna Crisis

太平洋マグロの絶滅危機と未来──鮨の神様、小野二郎が“最後の築地市場”で訴える

近い将来、鮨といえばまぐろ、という常識が崩壊するかもしれない。世界一の鮨職人は今、未来を憂いている。海で、市場で、鮨屋で何が起きているのか? まぐろ好きなら、目を向けるべき現状を伝える。

文・小石原はるか 写真・マチェイ・クーチャ @ AVGVST、今清水隆宏
太平洋マグロの絶滅危機と未来──鮨の神様、小野二郎が”最後の築地市場”で訴える

❝20年前、ほしいまぐろが手に入らない日が来るなんて夢にも思っていなかった❞

今はなき、築地場内の仲卸「フジタ水産」前での貴重な1枚。50年以上、毎朝届くまぐろを見続けてきた二郎さんは、10年前にはすでに、まぐろの危機を予感していたという。「産卵場で巻き網漁をすれば、何十万と産まれるはずだった卵がなくなっちゃうんだから、まぐろが減るのは当たり前なんです」。

今一級品とされるまぐろは、昔なら三級品。

洲への移転を翌週に控えてどこか落ち着かない、そして一抹のやるせなさもただよう築地・東京都中央卸売市場。そこに、「すきやばし次郎」の小野二郎さんが現れた。世界最高齢の鮨職人は、御年93歳。聞けば、長男の禎一さんと共に市場に来たのは2017年の元旦以来だという。「あのときは、移転前最後の挨拶のつもりだったんですよ」。その後、事態が二転三転したのは、ご存じの通り。

訪れたのは、20年来の取引があるまぐろ(註)専門の仲卸「フジタ水産」。代表取締役の藤田浩毅さんは、二郎さんと禎一さんが全幅の信頼を置く目利きだ。「藤田さんは鮨のプロフェッショナルとしてうちが求めるまぐろをしっかり用意してくれる職人です。信頼関係があるから安心して頼めるんです」。

この日は「すきやばし次郎」同様に日本を代表するフレンチレストラン「カンテサンス」のシェフ、岸田周三さんも顔をそろえた。自身の店でまぐろを扱うことはないが、日本の水産資源の減少を食い止めるための活動を続けるシェフたちのグループ「Chefs for the Blue」のメンバーとして、二郎さん、禎一さん、藤田さんと、情報交換をしに来たのだ。

ただ、藤田さんの表情はやや浮かなかった。それは「このところ、なかなか買いたいまぐろがない」から。藤田さんの哲学は「選ぶ基準は、味がすべて。味が良くなくては意味がありません。まぐろが10本入荷しても”一番”とされるものは1本だけ。その1本ですら気に入らないことは、よくあります。自分が旨いと思うまぐろしか、買いたくないんです」。

心の底から納得のいくまぐろを見極め、適正な値をつけるのが本来あるべき仕事の姿。が、まぐろの質が低下していることは明白だという。

「20年前の三級品が今の一級品と、いうくらい違う。昔は、築地にはいいまぐろがいくらでもあって、好きなのを買えばよかった。でも今はとんでもない。そんなことをしていると手に入らなくなる」と二郎さん。禎一さんも口をそろえる。「今は”あてがいぶち”ですね。あるなかから選ぶしかない。だから、ある程度寝かせて熟成させて、旨味を引き出す技術がものをいう」。

 

 

いわずもがな、まぐろは鮨屋の花形だ。なのになぜ今、いいまぐろが”ない”のか?

最初に、ここでのまぐろとは「太平洋クロマグロ(近海本マグロ)」を指すことをことわっておく。その太平洋クロマグロの資源量は、乱獲により過去最大級に激減している。2014年にようやく絶滅危惧種に指定されたが、一時は漁業が開始される前の推定初期魚量の約2.6%まで減少してしまった。その後やや回復したというが、微々たるものだ。

減った理由は明白。6〜7月の産卵期に、マグロの産卵場で大型の巻き網漁をして母マグロや未成魚までも、文字通り一網打尽に獲っているから。卵を奪えば、命が増えないのは当然のことだろう。

平成29年8月に、水産庁が発表した「太平洋クロマグロの資源状況と管理の方向性について」という資料には「産卵期の親魚を保護すべきとの発言が出たが、科学的には、現時点でISC(北太平洋まぐろ類国際科学小委員会)から根拠は示されていない状況」とあり、”親の数と子の数に相関関係はない””したがって現状でも産卵期の親魚を取っても資源に悪影響はない”という姿勢を崩していない。が、この問題を注視している科学者の研究によれば、相関関係が明らかなグラフもあるし、実に単純な引き算のように思えて、素人目にも強弁に映る。

保全のための漁業管理手法として水産庁は今年成魚の漁獲量規制を導入したが、日本がもつ漁獲枠のうち大型巻き網漁への割り当てが妙に大きいのだ。これは、巻き網漁団体が水産庁からの天下り先になっているからという声がもっぱら。いっぽうで母マグロの卵を守るために夏場の成魚は獲らないという自主規制を敷きクロマグロを守る努力をしている一本釣りなどの沿岸漁業者、いわゆる漁師さんたちへの配分がアンバランスに低いのだから、激減も当然である。

マグロは体温が高く、獲ったらすぐに締めて冷やさないと自分の熱で身が焼ける。また、夏場の巻き網漁では一気に何トンも獲るため、網の下の方にある個体は押し潰されて身が傷む。そうした質の低下は、結果的に取引での値崩れ、価値の低下へとつながる。無計画に獲り、無駄に水産資源を減らす悪循環が止まらない。

このまま手をこまねいていると、江戸前の鮨職人たちが求める、そしてわれわれが食べたいと願う上質な太平洋クロマグロは減少の一途をたどるというのが、専門家たちの間で一致した、現時点での未来予想図だ。


日本のマグロ漁船サメ密猟の疑い(日本かつおまぐろ)

2018-12-16 19:43:54 | 日記
日本のマグロ漁船サメ密猟の疑い(日本かつおまぐろ)
2018年12月15日 17時0分 東スポWeb
米司法省は11日付で、高級食材のフカヒレの材料となるサメを密漁していた疑いで、鹿児島県の水産会社「浜田水産」と日本人船員3人らを刑事告訴したと発表した。司法省などによると、浜田水産が所有・運営する漁船「共進丸」は昨年11月上旬、静岡・清水港を出発。約1年間のマグロ漁の間に、南太平洋などで高級食材フカヒレを手に入れるためサメ約300匹を密漁していた。船上では日本人船員がインドネシア国籍の漁師を指導し作業させていた。
今年11月6日ごろ、インドネシア国籍の漁師18人は、米ハワイ州のホノルル沖で漁船を離れ、送迎用船舶で米国に入国したところ、手荷物検査で大量のフカヒレの所持が発覚。インドネシア国籍の漁師たちは、ホノルルを経由しジャカルタへ向かうところだった。
このうちの10人は、密輸容疑で米当局に身柄を拘束された。スーツケースなどの荷物13個の中からは、962個のサメのヒレが束ねられ、包まれた状態で見つかった。
当局によれば、押収されたサメのヒレは計89キロあり、闇市場で約76万円の価値があるとされる。
当局の尋問に漁師の一人は「生きたサメからヒレを切って、体を投げ捨てた。船長から指示された」と供述している。
起訴された日本人船員3人は4件の容疑がかけられており、有罪判決となった場合、最大で5~20年の禁錮刑が科される可能性がある。
浜田水産は「(起訴に対して)弁護士を立てて回答中。簡単に言うと、こちらが知らない間に、インドネシア人の船員がサメの解体を行っていた。マグロ漁船はマグロをとるだけ」としている。
世界中でサメの乱獲が禁止となる中、アジアでのフカヒレスープの人気は高い。水産会社は外国人労働者から思わぬとばっちりを受けたのか。