暖かい月

2012-12-25 | ことば・文章

一人 赤ワインを傾けていると
レースのカーテン越しに 月の光が入っている。

満月だ!

空の高いところに クッキリと安定して 動かない。

僕は 月と向かい合って座っている気がした。

「何でも話してみろ」

月は 気軽に相談に乗ってくれそうだった。


月を見上げていると いろいろなことを思い出した。
それは 自分の中を通り過ぎて行った 数々の時間の記憶である。

思えば いつも 苦しい時 もの思う時 空を見上げてきた。

その時 その瞬間 空に映った自分の心 そして その結果、経験の数々。

・・・満月は 僕の心を映す鏡のように あたたかく そこで輝いていた。


週末は・・・

2012-10-26 | ことば・文章
 
自分のことを 「素敵だ」と感じられるような
時間とか 空間に 身を置くことが大切ですね。
 
過去の 細かい気がかりは 洗い流して
 
・・・まわりの世界も 人々も みんな素敵に見えてくる瞬間を 待って。
 
 

わすれる

2012-08-16 | ことば・文章

夏の記憶 たくさんあるなぁ

なぜか 忘れて 
思い出せないことも多い。

「忘れ上手」な方って 居ますよね。
そうして 切り替えて 
次のハードルに向かう。

忘れるのも大事な心の機能なんだね。


過去と他人は変えられない。自分と未来は変えられる

2012-08-07 | ことば・文章
ある会社の社長から聞いて「すごく前向きになれる名言だ」と感動しました。

調べてみると その方オリジナルの言葉ではなく、エリック・バーン博士という方の名言のようです。

「過去」と「他人」の順番は、僕が勝手に変えました(笑)
「過去」「自分」という 自分自身に近いことから述べる方が良いかと考えて。

誰かが先に進めないでいる時、ミスをして落ち込んでいる時に効果的で、よく使わせていただいています。使いすぎかも(笑)

楽しい夢

2012-08-04 | ことば・文章

「あんなに愛しあったのに」(1974年イタリア)より

大好きな映画です。戦地で固い友情に結ばれた

アントニオとジャンニとニコラ この3人が良いですね。まぁ 派手な展開は

何もないのですが、30年来の友情と映画愛に包まれて

幸福なエモーションが伝わって来ます。


ある方の言葉を引用すると

楽しい夢を見時、「楽しかった」と言うか、「だって夢じゃない!」と言うかは、

人生観の話です。




記憶と期待を手放す

2011-11-21 | ことば・文章

 

「記憶と期待を手放すことができたら  完全に今このときだけに意識を向けることができるようになる」

ある方の文章を読んで 100%同感しました。
 成功体験に 舞い上がったり
 失敗体験に 落ち込んだり  
自分の気持ちは グラグラ その度に軌道をそれるけど
気持ちの急上昇と 急降下が 不安や恐れや ストレスの原因となる。
うまく 安定した軌道で 落ち着いて進むことが 実は一番楽で 成果も多いのでしょう。

 


『ノルウェイの森』 の真意

2011-05-07 | ことば・文章

本当に、大切な作品です。

人物の描写や心情は限りなく繊細で 共感できるのに

「なんでこうなるの?」という展開とストーリー。

作者の真意が大きな謎。それはミステリー小説以上に・・・

 

「喪失感」「リアリズム」がキーワードだと思っていました。

そして「エウリピデス」(デウス・エクス・マキナ)

 

ギリシア悲劇って凄いですよね。

親殺し 子殺しとか あらゆる感情もストーリーも

既に描かれてしまっている。今から2千年前に。

僕は 小説を書こうとして 途方に暮れました・・・

「もう全部書かれてる。後は真似るだけ?」って。

そしたら、自分が書く意味なんて無いのか、という絶望感。

 

この文章を書こうとしてエウリピデスを調べたのですが

道義的なモラルとか 社会通念を越えてしまってるんですね。

だから レイコさんとのセックスとか モラルでは説明がつかない関係とつながってくるのか、と考えました。 

 

「リアリズム」と「デウス・エクス・マキナ」は相対する概念ですね。直子の死は、どちらなのか。

もともと この設定では彼女は「死ぬことを定められている」キャストに思えます。それは「デウス・エクス・マキナ」の解決でもあって、主人公は、神の交通整理が終わって、自分のいる場所がわからなくなるのです。

では そこに至るまでの二人の愛情や 行き場の無い感情は どういう意味を持つのか。ラストが決まっているなら、全ては無意味にも思えるのに。延々と「リアリズム」の手法で語られる人間の営み。性的なことも 愚直なまでに細かく。

 

あまり大げさな表現は使いたくないけど、この作品は 人間 の矮小だけど決して消えない感情を拾い上げて、その意味を問うている気がします。たとえば「神」がいるなら、その答えを知っているのかもしれない。でも、 キリスト教とか学生運動などのその時代の枠組みは、何も答えを与えない。「世間」に対する不信感が、世界に対する不信感にもつながっていく。個人としての 信念と、愛情を交わす関係が大きな意味を持ってくる。「100%の恋愛小説」という表現が、逆説的に意味を帯びて(笑)

 

心は、自然といろいろなことを感じるし、他者とのつながりも、避けられない。それが人間のリアリズムなんでしょうか。

作者は リアリズムの手法を突き詰めることと、「デウス・エクス・マキナ」と対峙させることで、人間の意味を問いかけ、空しく苦しい喪失感と、生きていることの輝かしい価値を対比して、浮かび上がらせた気がします。

撒き散らされたリアリティに、ミスリードの嵐。でも、作者の真意は、言い知れぬ感情のレベルで、読み手に伝わっていく。


漱石 『こころ』に想う

2011-02-03 | ことば・文章
今回は すごく落ち着いて読めた。
死期を予感した漱石が 心と心の結びつきについて
突き詰めて追求した作品。
 
 
信頼 とか 愛情 と言ってしまえば簡単だが
実は 誰かの心と結びつくことは無いし
裏切ってしまうのも一瞬だ。 親子 親族 友人 夫婦・・・ すべての関係において。

時には 心の問題は 生死を越えていくように思える。
どうしても ここで僕は 『ノルウェイの森』を連想してしまう。

村上氏の真意はわからないが 作品として
両者がつながっていることは間違いない。
『ノルウェイ』では 時代の風俗や身体の触れ合いが饒舌に描写されるが
たとえば それらを一切取り除いて 心の動きだけをつないでいくと
『こころ』の心理的葛藤と 重なってくるのではないか。
・・・きわめて大雑把な感想ではあるけれど。

先生から奥さん ワタナベから直子 
どちらの愛情も 究極の愛。
報われる とか ハッピーエンド とは別の次元で。

心というテーマを もっと考えてみたいと思った。
それは 僕自身を知りたいという 欲求でもある。

『夏期限定トロピカルパフェ事件』

2009-05-07 | ことば・文章
突然ですが、これは本のタイトルです。
しかも、本格ミステリーの・・・

「日常に潜む謎」を描くミステリーが増えてきました。
要するに、殺人や犯罪が起こらないんですね。
北村薫さんや加納朋子さんの作品も
殺伐とした雰囲気にならず 謎解きが楽しめるので好きです。

米澤穂信さんの作品は、一見 普通の学生たちが
日常の謎に挑んでいく。
その若さ 清々しさの先に
人間の本質のようなものが 見えてくる。

騙されちゃいけません!
青春は、爽やかなままでは終わらない。
この意外性が たまらない魅力です。

・・・未読の方 意味不明な紹介でスミマセン。
すこしでも気を惹かれたなら、ご一読くださいね!

僕の言いたいことが、わかっていただけたらいいなぁ。






愛情の連鎖

2009-05-05 | ことば・文章
草花に、如雨露で水を遣るように
愛情を 惜しみなく降らせていきたい。

如雨露は 愛情のタンク。
大きい方が良いでしょう。
近くにない時は、手のひらで掬ってもいい。

そう考えてみると
雨の偉大さ。天とは限りなく大きいものです。
その愛は、計り知れない。

水の循環 食物連鎖 親しい人の思い遣り
それぞれのシステムによって
生かされている自分・・・

当たり前に、享受している幸せ
 そのことを忘れたり、気づかない
 愚かな自分もいる。

自分に向けられた、たくさんの笑顔
その愛情を辿って
大きな連鎖を、もう一度 たしかめていきたい。

そして、自分が返すことのできる愛情。
この水量を
できる限り、増していきたい。