息子の発達に問題があることは、乳幼児健診の時に分かりました。
検査項目の一つ、パラシュート反射が見られなかったのです。
パラシュート反射とは、両脇に赤ちゃんを抱え前方に傾けた時に、赤ちゃんが両手を広げて反射的に防御する動作のことを言います。
人間は、転びそうな時に咄嗟に手を出して体を守るという反応がありますが、その反応が息子には無かったのです。
この診断結果に私は少し動揺しましたが、親から見て、特に目立った発達の遅れは感じなかったので、あの検査結果はタマタマだったのだと楽観的に考えるようになっていました。
しかし、小学校中学年の頃から忘れ物が多い、物を無くす、嘘を付くということが目につき始めました。
また、4年生の面談の時に、提出物を出さないことがよくあるということが担任からの指摘で分かりました。
教室の彼の机の中を見てみると、保護者宛のお知らせや授業のプリントがぎゅうぎゅうに押し込まれており、私はその光景に大変ショックを受けました。
その時、乳幼児健診のパラシュート反射のことが頭をよぎり、他のお子さんに比べ何かやはり問題があるのだろうかと思ったのですが、その考えをすぐに打ち消してしまい、根本的な原因を探ろうとはしませんでした。
しかし、6年生の時の面談で、他の子どもと違って扱いにくい、将来どのようになるのか非常に心配だとの担任からの指摘を受けて、私はようやく彼の成長・発達の問題に関して真剣に考えるようになったのでした。
今から15年程前のその頃は、発達障害に関する情報は今のように豊富でなく、原因が分からないまま放置し続けていたのです。
そしてある時、近所の本屋さんに立ち寄って健康に関する本を眺めていたところ、「児童の発達障害」というタイトルが目に入りました。
早速手に取ってみると、羅列された症状が正に息子のそれとピッタリ当てはまることばかりで、彼の特異な行動の原因は発達障害だったのだと腑に落ち、なぜか感極まって涙が溢れてきたのを覚えています。
息子の症状に向き合うことを避けながらもいつも心に引っかかって悶々と過ごしていた日々から解放され、気持ちがスッキリしたのだと思います。
しかし、原因が分かったからといって問題が解決したわけではありません。
年を経るごとに息子の特性は本人にとってはもちろんのこと、私たち親にとっても悩みの種となりました。
続きます。
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