一番大きな旅館の一番数の多い部屋。
そこが一番落ち着く。
静かな隠れ家的な一軒宿よりも、
どんな高級な部屋よりも。
長く旅をしてきてようやく、
自分がどんな人間か分かってきた。
山側の部屋を選ぶか、
川側の部屋を選ぶかは、
それは自分次第だ。
一般論など関係ない。
値段の甲乙など意味がない。
山側は真っ暗だか静かである。
川側は風情があるが自然が騒がしいものである。
空を見上げる。
雨が落ちてきて、
初めて自分の愚かさに気付く。
青空が見えていれば、
どこにいても最高だ。
君がいれば、
それをそっと伝えるだろう。