昨年度、2つの大学で講義を行った。
イベント開催時の交通対策について、交通管制官として私が従事した事例を交えて話をした。
講義を行うに当たり、受講する学生さんたちには、講義を通して、大学で学ぶ交通工学の知識が実務でどのように用いられるのかを知ってほしいという思いと、
日々の生活で交通行動をとる一人として、イベント開催時の交通対策がどのように検討、実施されているのかを知ってほしいとの思いがあった。
そこで、少しでも興味を持ちやすく、具体的にイメージしやすくなるよう、4年前、日本で開催され、大きな盛り上がりを見せた大規模スポーツイベントを例に用いた。
講義後に提出されたレポートを読んだところ、予想以上に多くの学生さんが強い関心を持ってくれたことがわかった。
「交通分野の仕事に興味が湧いた」、
「自動車は個人の意思によって走行ルート等が決まるため、その予測や対策が容易ではないことを改めて実感した」といった感想。
「これまで何度もスポーツ観戦に行ったことがあるが、裏でこのような対策が行われているとは知らなかった」、
「交通対策の力になれるよう、今後、身近でイベントがある際は協力したい」など、様々な感想が述べられていた。
たくさんの質問や感想に触れ、刺激を受けるとともに、伝える大切さを実感した。
そして、交通対策の検討から実施まで従事した経験がある私だからこそ、伝えられることがあると実感した。
このような思いから、このブログを始めることにした。
講義でも触れたが、安全で円滑な交通の実現には、一人一人の協力が必要不可欠である。
どれだけ警察等が交通対策を実施しても、それぞれが自分のことだけを考えた行動をとれば、大渋滞や交通事故は起こるのである。
そのことを広く知ってもらい、交通事故や交通渋滞が少しでも減少することを願って。
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