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交通コンサルタントの願い

交通工学の知識と交通管制官としての勤務経験から得た知見に基づき、交通問題を解説する。

大渋滞は起こりうる 1

2023-09-04 15:13:53 | 記事

エスコンフィールド北海道周辺における大渋滞発生の懸念 で述べたように、様々な要因が重なったとき大渋滞は起こる。

そもそも、なぜ渋滞は発生するのか。
少し乱暴だが、端的に言うと、走行する車両が多すぎるから。
もう少し正確に言うと、ある道路区間を通過しようとする車両の台数が、通過できる車両の台数を上回るからである。
つまり、
通過しようとする車両の台数 > 通過できる車両の台数
という状況で渋滞は発生する。

イベントが開催されるとき、通勤や業務といった日常的な活動に関連する一般交通に、イベントの関係者や観客等によるイベントに関連する交通が加わる。
そのため、イベント開催時は、通常より交通量が増加し、渋滞が悪化する傾向にある。
その際、いくつかの要因が重なると、道路交通網が麻痺してしまうほどの大渋滞となる。

では、どのようなことが渋滞悪化を助長し、大渋滞を引き起こす要因となるのか。
要因として、大きく5つ挙げられる。

1つ目は、「イベントが開催される日時と当日の天気」である。

交通量は、時間、曜日、季節によって変動する。
平日だと、朝の通勤時間帯と夕方の帰宅時間帯の交通量が多く、1日の中でも渋滞が多く発生することは、広く知られている。

例えば、イベントが平日19時に開始されるとき、夕方の帰宅時間帯とイベント来場者の移動のピーク時間帯が重なる。
通常でも交通量が多く渋滞しているところに、イベントに関連する交通が加わることになるため、渋滞は悪化する。
なお、イベント来場者の自動車利用が多いほど、渋滞悪化の程度も大きくなる。

一方、極端な例だが、もしイベントの開始時刻が深夜だったら、交通量の少ないところにイベントに関連する交通が加わることになる。
通常の交通量が少ない分、平日19時開始のときほど渋滞しないことは想像いただけるであろう。

同じイベントでもいつ開催するかで、交通状況に与える影響は大きく変わってくる。
開催日時によっては、ひどい渋滞を引き起こす要因となるのだ。

また、天気も交通状況に影響を及ぼす。

雨の日は、晴れの日より渋滞しやすい。
日常的に運転している人の多くは、経験則としてこのことを知っているのではないか。
これは、雨が降ると、視界の悪化や路面状態の変化を受けて晴れの日より車両の走行速度が低下することや
晴れの日は自動車を利用しない人が移動手段を自動車に変更することにより交通量が増加すること等に起因する。

天気はコントロールしがたいが、イベント当日に雨が降った場合、晴れたときより渋滞は悪化しやすくなる。

このように、イベントが開催される日時と当日の天気は、渋滞に影響を及ぼす要因の1つである。


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