写真1 患者さん 写真2 魔法の杖
写真3 ケーキの説明
写真4 全体象
患者さんの申告内容
魔法の杖でろうそくに火をつけられるのだが、つかなくなった。
動作内容
・魔法の杖のボタンで炎をつけ、ろうそくの先に近づけるとろうそくに火がつく。
・6本のろうそくに火がつけらるとハッピーバースデーの歌が流れる。
・歌が終わってからろうそくを消すために息を吹きかけるとろうそくが消える。
・歓声が流れる。
・患者さんの周りにスポンジケーキがあり、ナイフでお祝いに来た人に切り分けられる。
・”メロディのボタン”を押しても歌が流れる。
初診
魔法の杖のボタンを押しても炎がつきません。
魔法の杖には、ボタン型電池(LR41)が3個入っていますが、1個液漏れしており電極腐食が見られました。
”メロディのボタン”を押しても歌は流れません。
検査
①魔法の杖の液漏れ状態
写真4-1 魔法の杖の内部
写真4-2 端子腐食と断線
写真4-3 腐食した端子位置 写真4-4 腐食端子 写真4-5 錆落とし後の端子
電池の液漏れで端子が腐食し、配線が切れていました。
電極の錆び落としをして、配線を交換しました。
スイッチを押すとLEDがつきました。
これで、魔法の杖の治療は終了しました。
②ケーキの”メロディのボタン”
写真5 ”メロディのボタン”のスイッチ
スイッチを押してもクリック感がありません。強く押しすぎたのかもわかりません。
スイッチを交換してケーキの治療は終了しました。
治療後記
ろうそくをともしましょう。
魔法の杖をろうそくに近づけるとろうそくのLEDが点灯しました。しかも、炎がゆらいでいるようにLEDを明滅させています。何と芸の細かいことでしょう!
ろうそくを消すために息を吹きかけるとろうそくが消えて、歓声がします。
誕生日にお友達を呼んで、ろうそくに火をつけるとお祝いの歌を歌ってもらい、ろうそくを消します。それからお友達にケーキを切り分けて食べます。
実際の誕生日の出来事を再現するおもちゃでした。
技術的にもおもしろい発見がありました。
魔法の杖は、LEDが光っています。ろうそくもLEDです。では、どういう仕組みでろうそくは光るのでしょう?
ケーキを開腹する前までは、ろうそくにはLEDと光を検知するセンサーが内蔵されているのだろうと推測していました。
しかし、ろうそくにはLEDをつける配線が2本あるだけです。
答えは、”逆も真なり”でした。
LEDに電流が流れると光を発します。
逆にLEDに光を当てると起電力が生じます。
これを利用しているわけです。イメージは太陽光パネルです。
LEDの起電力動作と発光動作の2つの働きを利用しているわけです。
とかく今の日本メーカーのおもちゃは、キャラクター勝負的ですが、K's Kidsのおもちゃは違います。
メーカーのこのおもちゃの紹介WEBページです。よろしかったら、のぞいて見ませんか?
http://parents.kskids.com/parentdetail.php?pid=22&lang=en