遺言の種類
遺言には,
①公正証書遺言(民法969条)
②自筆証書による遺言(同法968条)
があります。
どちらにすべきか,その人その人により違います。一概にどちらがとはいえません。
公正証書の場合,公証役場まで行き,公証人に費用を支払い,作成します。
自筆証書の場合,自宅で,作成するのに費用もかかりません。
しかし,自筆証書の場合,検認(家庭裁判所で遺言の存在を確認する手続)が必要です。
それに,本当に遺言者が書いたものか,相続人間で争いを起こす火種になる余地があり得ます。
一方で,自筆の場合,いつでもどこでも費用をかけず,書くことができるので,いつでも書き直せる,といった利点もあります。
両者を併用させることもできます。
「不動産は妻に相続させることだけは決まっているが,それ以外はどうするか決まっていない」そのような場合,不動産を相続させることを公正証書にし,それ以外は,自筆証書も可能なのです。
(弁護士 樋口華恵)