Torch Cafe

vocalist 中野綾子のブログです

「パトロネス」ニカ男爵夫人

2012-10-29 17:22:21 | diary
昨日アップした関連になりますが、「ジャズ界のパトロン」「ビ・バップ男爵夫人」などと称されたユダヤ系の大財閥ロスチャイルド家に生まれたニカ男爵夫人についてほんの少し触れたいと思います。

根っからのジャズ・ファンの方達にとっては「スイングジャーナル」誌(今現在廃刊)で誰もがその名を知る所となる、ビ・バッブ黄金期のニューヨークのミュージシャン達を莫大な財力で援助し支えた女性で取り分けセロニアス・モンクとチャーリー・パーカーの二人には生涯を通して支援されたとのことです。

そんなニカ夫人を慕ったジャズメン達は感謝と憧れの想いから彼女の名をタイトルにした自作の曲をこぞって捧げました。中でも、歌詞が付いていることから日本のシンガー達にも好んで取り上げられるホレス・シルヴァーの〈Nica's Dream〉は特に有名な曲の一つです。


話が元に戻りますが、一昨日のブログで後援者のことを「パトロン」と表現したのは「スイングジャーナル」誌で常にそう紹介してあったのが頭に入ってしまっていたからなのです。ただ、今回が機となって女性の場合は「パトロネス」と言うのが正確だということが学習出来たのは有り難かったです。

結局、パトロン(パトロネス)はお一人で多額の出資の出来る方でエンジェルは個々で後援される方と言うことかしら?と自分の中で解釈したのですがどうなのでしょう?

'88に74歳で亡くなられたとのことですが、ジャズメン達への支援のきっかけの一つが彼等への人種差別に対する正義感からだったとのこと、心も姿もきっと美しい女性だったに違いありません・・。