しねまぶっくつれづれだいありー

思うがままに映画、本、演劇,音楽などすきなことについて語ります。

アイランド ジャパンプレミア(7/14) 

2005-07-20 13:12:48 | 映画
『とにかくど派手!!!』

 映画館では、「スター・ウォーズ」と「宇宙戦争」、そして夏休みのお子さま向けのアニメばかりでなんだか物足りなくなってきた感じがしているのは私だけでしょうか?
 そんなラインナップのなかで密かにというかかなり期待していたのがこの『アイランド』!なぜだかわからないけどユアン・マクレガー好きな私にとっては、スター・ウォーズ以上に待っていた作品ともいえます。
 共演はスカーレット・ヨハンソン。若さゆえなのか、大胆発言が話題を呼んでいますが、なんだか大輪の花を咲かせそうな期待を抱かせてくれる女優さんだと思います。そして、LOTRのボロミア役のショーン・ビーンがまたもや悪役で登場(笑)

 というわけで、久々に試写会も気合いをいれて応募したら当たること、当たること
しめて、7回分の試写状を手に入れました(笑)でも、このジャパンプレミアは友人が当ててくれたものなのですが…

 ジャパンプレミアといいながらも、来日ゲストはマイケル・ベイ監督だけだし、プレスシートはくれないしと物足りない試写会でした。(試写後にコメント撮りのCM撮影に協力すると監督のサイン入りのプレスシートがもらえたみたいですが…人の注目を集めるのが嫌いな私はカメラの前にたてませんでした(誰もみちゃいないと思うんだけどね))
 しかも、監督、インタビューが長引いて遅れるし、司会の人が呼ぶ前に舞台に現れて、ちょこっと挨拶したのみで帰ってしまうし…日本、お嫌いですか?
 ユアンのイギリスからのインタビュー映像は満喫させていただきましたが、ホヤホヤ映像過ぎて字幕無し(笑)監督の通訳として出てきた戸田奈津子氏が訳してました(あやしい)。戸田さん、映画の字幕は担当してないのに、なぜ、イベントで通訳してるのかしら?

 さてさて、映画ですが、『マイケル・ベイ監督だから』の一言でみんなが共有できてしまうほどに派手です。
 アクションもてんこ盛りだし、「そんなバカな」と誰もが笑えてしまうほどの逃亡劇などもあってあきさせない娯楽映画になっていると思います。でも、逆に深遠なテーマは(あったとしても)この途方もないアクションの影に隠れてしまって出がらしのお茶並みに薄くなっているのでしょう。私は感じませんでした。
 ユアンは一人二役なのですが、二人でいるシーンでもきちんと演技が区別されていてさすがだなと思いました(かなり贔屓目ですけど)。あと、青い瞳が美しくて印象的です。クローンのリンカーンの純粋無垢さをあの青い瞳のまなざしが物語っていました。
 スカーレット・ヨハンソンも外の世界に興味を示す様ところはかわいらしくおかしかったです。それに金髪がきれいすぎて、隠れつつ逃亡しているのに、路上でもメチャメチャ目立ってました(笑)でも、日本人には絶対マネできないあの髪の美しさは憧れてしまいますね。
 ただ、ユアンのリンカーンに比べるとキャラが弱いかなぁ?もともとそういう設定なのかもしれませんけどね。
 
 クローンの二人は生きたいとい意思を持って行動するのですが、彼らの逃亡劇によって命を落とした一般市民は数知れないのでは?(笑)
 と、ふと我に返るとギモンが湧いてきてしまうのですが、娯楽作として観る分には申し分のない映画だと思います!夏らしくスカっと(?)しますよ。

姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)

2005-07-17 03:36:44 | 映画
『原作もキャストも好き!・・・なんだけどね』

 京極夏彦原作の『京極堂シリーズ』の映画化です。
 私はこのデビュー作『姑獲鳥の夏』の講談社ノベルスを初版で買ってるほどのこのシリーズのファンです。もちろん、全作読破しています
 というわけで、映画化はうれしい気持ちと複雑な気持ちと合い半ばといったところでしょうか?キャストを聞いたときは、「う~ん?」と思いましたが、予告編を観ているとまあまあかなと持ち直しました(笑)京極堂が堤真一さんで正解かな。ちと着物姿で首の太さが気になりました(笑)本屋だからね、ひょろっとした感じのイメージだったんですよね。でも、堤さん好きだし(フライ~の感想も書かないと…)

 このシリーズ、ミステリーといわれてるんですが、私はあんまり『謎とき』を楽しみに読んでいるわけではないんですよね。どちらかというと、毎回毎回の京極堂の「うんちく」を挫折しないで読む試練を突破することを目的としているような。人を殺せると評判の厚さの本ですが、半分ぐらいはこの「うんちく」だと思います(笑)
 好きなキャラクターは、榎木津です。顔がキレイで、頭もよくて(?)、ケンカが強いスーパーキャラですからね(笑)でも、スーパーすぎて、事件がすぐに解決してしまうからか、あんまり登場シーンが多くないところが悲しいところ。

 以上が、私のこのシリーズへの基本的な思い入れです(笑)
 こんな思い入れをもって映画を観てきました。

 かなり、原作に沿ったストーリーなのですが(といっても、最後に読んでから時間がたちすぎて細部は忘れてましたね~)『姑獲鳥』のトリックは最初に小説を読んだときも「え~っ」と思ったので、やっぱり映画でもいまひとつ納得できなかったですね。
 あと、榎木津も阿部寛さんなのはいいと思うんですが(彼以上に榎さん役ができる人もいるとは思えない)、榎木津の魅力のハチャメチャ加減が足りなかったなというのが印象。ちょっと、普通ではない能力を持つ人ってだけになっちゃてたのが悲しかったです。
 さらに、京極堂シリーズのワトソン関口ですが、原作で評されている猿っぷりを永瀬さんがうまく出してたと思うのですが、いかんせん、セリフ少なすぎじゃないですか?(笑)『姑獲鳥』は関口の物語なので、彼の語りが入ってもよかったんじゃないかなぁ(それとも、映画だとネタバレしちゃうからでしょうか?)
 京極堂の妹の敦子は、田中麗奈ちゃんが演じていて、雰囲気は私は彼女はいい配役だと思うのですが、映画の中の敦子がややきついキャラになってたのが、不満かな。敦子は、活発だし、自分から事件に飛び込んでいくところもあるけど、やさしい素敵な女性なんですよ(妄想?)。
 

 ともあれ、松尾スズキが『イン・ザ・プール』に引き続き、白衣姿(医者なんだけど)で出ていたり、荒川良々がいたりと細かいキャラまで、豪華なキャストであのキャラがこの人なんだと視覚で観る楽しみを味あわせてくれました。
 京極先生は、原作者なのにずいぶん出演してましたね(笑)京極堂と妖怪について語ってましたし、しかもテロップみたら、あの先生の役だったなんて…細かい設定でした。そういえば、京極堂の本名 中禅寺秋彦って全然出てきませんでしたね。エンドロールのキャスト名には出てたけど。
 テンポがだるいのと、映像が目に悪いのがイマイチでしたね~。あと京極堂のセリフは難しい言葉が多くて、活字なら雰囲気でわかっても、言葉で聴くと「?」なところが多かったです。関口くんはいつもこんな感じなんですね(笑)

 なんだか、シリーズ化する気満々な映画でした。
 私もこのキャストは捨てがたいのでシリーズ化してほしいけど。。。大丈夫かな?2作目の『魍魎』はさらに実写化難しいと思うのですが…

宇宙戦争(7/2 幕張)

2005-07-03 13:40:27 | 映画
『とにかく怖い!』

 6/29公開のトム・クルーズ&スピルバーグ監督コンビの話題作を観て来ました。この映画、何で水曜日公開なんでしょうね?ニュースをみると「マトリックス」のときも水曜公開はあったらしいので、何か意図はあるんだと思うんですが。

 公開後最初の週末のレイトショーということもあって、ほぼ満席。さすがだなぁと思っていたら、隣の席の夫婦が「スターウォーズはもういっぱいだった」と話していました。スターウォーズは先行上映で字幕3館、吹替1館つぶしているのですが、すごい人気ですねちなみに、この日の宇宙戦争は2館での上映です。

 前評判等をいっさいいれないで行った私は普通のSF映画だと思っていたのです。が、見ている間は『こわ~い』っていう感情ばかりでした。ダコタちゃんの叫び声が非常に耳に残ります(笑)
 突然、稲妻(のようなもの)が光ったあと、地中から巨大なモノ(でっかくて、足が触手のように何本もある)が出てきて、あらゆるものを灰にしてしまうんです。あまりにも巨大すぎて人間が走って逃げたってかないっこありません。家だって破壊しちゃうんです。赤い血管のような根っこ(?)がそこらじゅうをつたっている絵はかなり気味が悪い。しかも、巨大なモノ(トライポッド)が人間の血を吸い上げているのを観ていると、その赤はどこから来るのかって想像するだけでぞっとします。

 で、この作品がなぜ怖いのかというと、対抗するすべが見当たらないからなんです。普通の映画だと最初は破壊されたり、傷つけられたりしても、誰か(ヒーロー)が立ち上がって抵抗していくと思うんです。でも、この「宇宙戦争」の世界では軍隊が出動しても、防衛シールドが張られていて大砲も通用しない…人間の力ではどうしようもない圧倒的なパワーを持っているということが視覚で感じるおぞましさ以上の恐怖だと思います。
 だから、今回のトム・クルーズは逃げてばっかりです(笑)それどころか、抵抗しようとする息子ロビー(ジャスティン・チャトウィン)を全力で止めようとします(まあ、この息子も無謀すぎる極端なキャラなんですけど)。全然ヒーローじゃないし、かっこよくありません(笑)トム・クルーズ演じるレイとロビー・レイチェル(ダコタ・ファニング)は親子だけれども、子どもたちは別れた妻に引き取られていて、普段は疎遠なため決して良い親子関係を築けていません。最初のうちは、何かあるとレイチェルはレイの腕からロビーのもとに駆け寄ってしまいます。レイは頼れる父親ではないし、レイ自身もそれを強く望んでいたわけではなかったんじゃないかと思います。でも、異常事態の発生で父性が目覚めたレイは、自分の限界をわきまえ、家族を守るために逃げ続けるんです。あまりにも利己主義的で映画としての爽快感はないんですが、親ってそんなものかもしれないなと妙に納得してしまいました。

 耳にしていた情報と違っていたのが、ティム・ロビンス。彼の役は預言者ってきいてたのですが、映画を観たら全然違いました。これもまたかっこよくなかった(笑)しかも、あんまり重要な役でもないんですよね~。関係ないですが、ティム・ロビンス、年々太ってきてないでしょうか?ちょっと、悲しい。(私は『ショーシャンクの空に』が大好きなので、イメージの時が止まっているのです)

 ラストもこれまでの流れを汲んでイマイチすっきりしません。私は「あれっ?これってラストシーン」と思ってしまいました。何で終わりなんだろとうと思ったら、ナレーションで解説が…映画の物語として最後にナレーションで説明しないとわからないっていうのはどうなのかなぁと思います(笑)でも、ヒーローが常に存在するわけではないという現実をふまえると、自然なラストなんだろうなとも思います。上映後に残るのは、爽快感ではなくやっぱり恐怖感でしたね~。

 個人的には、宇宙には人間のような生命は存在すると思ってるんです。でも、その生命体が地球を訪れることができるなら、それは人間よりもすぐれた知能を持っているということですよね。共存しようとするのか、侵略しようとするのかは生命体次第で人間に選択肢はないんじゃないかなと思います。この映画はその実例みたいな感じでぞっとしてしまいました。


(おまけ)予告で「キング・コング」が流れたのですが、ピーター・ジャクソン監督がすごくやせていた気がしました!びっくり♪