04年12月26日、インド洋津波で故長女が遭難して、早や9年近い歳月が流れた。 最近、11月8日早朝、フィリピン中部レイテ島周辺を巨大台風30号が襲い、中心地タクロバン市では建物や電気水道などのインフラが壊滅し、5000人余の犠牲者が発生した。 これは、行政による高潮警戒避難体制が十分に取られていなく、また大型台風による高潮の規模や危険性が、津浪に類似したものである事など、海沿いの住民に周知徹底していなかった点が、被害を大きくした様である。04年末に起きたインド洋大津波の場合,スマトラ島沖の地震発生海域から200km余離れた、アンダマン海に面するタイ王国の海辺リゾートでは、 津波の予報警戒及び避難に関する予告や避難指示さえ タイ政府機関から何も発せられなく、不意打ちを食った滞在外国人の犠牲者は3000人規模にまで拡大された。 故長女はその中の一人で、まさに ”Gone with the Waves "である。 如何に、津波や高波に対する沿海地域への、避難予報警戒システムの整備が重要か思い知らされた。
メデイアによると比、レイテ島東部海岸(中心都市から南へ35Km)に位置する、臨海部人口17000人余の漁師町ドゥラグ(全人口47000人)では、町長が率先して台風上陸の前日に4時間かけて全地区を回り、集落のの代表に命じて、高台の学校に避難する様 強制的に避難命令を指揮実行したおかげで、僅か19人の犠牲者(全て内陸部で家屋や樹木の倒壊による)しか出さなかったと報じられている。 大災害時、リーダーの資質と役割及び災害知識と実行力が ”減災” にとって如何に大切か、再認識する次第である。 10月上旬、日雨量800㎜の台風26号による大集中豪雨により、伊豆大島で山津波が起き43人の犠牲者が発生したとき、町長、助役など 行政の責任者が 不在であった。これは災害時のリーダーの資質と役割が如何に大切か レイテ島台風災害時のドウラグ町長の行動と比べれば、歴然である。 ( 未 完 )