【また長崎で殺人】

【同仁会病院前理事長殺害】佐世保
前理事長の友廣ハツヱさん＝当時（８７）を殺害した。
　友廣容疑者「かっとなり殴った」　２人は以前から確執が続いていた。
逮捕された院長兼理事長で養子の友廣慎吾容疑者（４９）＝同市石坂町＝が「病院運営をめぐって口論になり、かっとなって殴った」などと供述している。

　ハツヱさんは０９年１０月、長崎大学病院に法人から１億円を寄付。
病院はハツヱさんの夫で佐世保同仁会の創設者、故嘉久氏の名を取り「友廣医師育成プロジェクト」として、医師育成室の整備などに活用した。
　友廣容疑者はハツヱさんの弟の息子で、２００８年にハツヱさんと養子縁組をしたが、病院の運営などをめぐり対立が続いていたらしい。友廣容疑者と親交があった男性は「養子は嫌だ、と語っていた。『病院を継がないなら他の病院に行きなさい』と言われたと不服そうだった」


　病院理事長室でハツヱさんと２人になり、十数回にわたり顔や体を殴る蹴るなど暴行。
職員らがハツヱさんを病室に移した後、放置し死亡させた疑いが持たれている。
同容疑で逮捕された同病院レントゲン技師長、枇杷木（ひわき）紀明容疑者（３５）＝同市松瀬町＝は暴行には加わっていないが共謀したとされる。
病院や自宅など数カ所を家宅捜索した。
　

殺害から約１カ月後の昨年７月、友廣容疑者は育成室開所式で「父の遺志を母が継いだ。父も母も天界で喜んでいると思う」と述べていた。　

死後数日たって間接的に知らされた上、葬儀は「病院葬」として内輪で終えたと説明され、「不自然で、何かあるのではと思っていた」という。