あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

今更の初長編作品

2010-12-12 | 本(文庫本)
宮部みゆきさんの『パーフェクト・ブルー』と『心とろかすような』を続けて読みました。

今朝のテレビ「ボクらの時代」に宮部さんが出演していらっしゃいました。五木寛之さんと北方健三さんと一緒に。この番組、たまにこういう唸ってしまうような組み合わせを実現してくれるので侮れないんですよね。いや~、朝から楽しかったわ~。北方さんが案外お茶目な人だっていうのが予想外で面白かったわ~。

今回まず読んだのは、宮部さんの初めての長編小説である『パーフェクト・ブルー』。本当に今更なんですが、宮部さんの作品は「時代小説が面白い!」とずっと思っていましたから、これまでにこの記念すべき「初長編小説」を読むことがなくて…。お恥ずかしい限りで…。

父の経営する探偵事務所で調査員として働く蓮見加代子は、相棒の元警察犬・マサと一緒に諸岡進也という少年を探していた。進也の兄・克彦は高校野球界の注目選手で、最後の甲子園出場を控えた時期に家出をしてしまった進也を探してほしいと、進也の両親から依頼を受けたからだ。無事進也を見つけた加代子たちだったか、その夜、克彦の焼死体を見つけてしまう。

殺人事件はあっという間に解決してしまうように思わせておいて、実はその裏に克彦が脅迫されていたこと、少年野球チームにグランドを提供していた製薬会社の陰謀、脅迫、誘拐。少年たちの謎の死、などが複雑に絡み合ってきます。単純には終わらないのです。
初長編作品でこんなにグイグイ攻めてくるのですから、なるほど、宮部みゆきとは最初から凄かったわけだ、と納得いたしました。

そして次に『パーフェクト・ブルー』の続編となる短編集『心とろかすような』を。
どちらの作品もカバーにシェパードの絵が描かれていますが、これは物語が探偵事務所で飼われている元警察犬・マサの視点から描かれているからです。このマサが実に有能で頼もしい。「マサ、留守番する」では、単独で調査をするマサの姿に「職人」的なものを感じました。
そしてとても考えさせられたのも「マサ、留守番する」でした。小説が書かれた頃から法律も少しは変わったけど、動物は「器物」ではないのです。ペット虐待なんてもってのほかだ! と、悲しく怒りながら読んでしまいました。

ところで今朝の「ボクらの時代」。対談は最近小説家転身を発表して某文学賞の大賞をとった方の話題にも及びました。多くの文学賞の選考委員をしていらっしゃる三人とも非常に心の広いコメントでしたが「本当のところはどうなの?」と、私なんぞは思いましたけど…。特に宮部さんの「私たちに選考をさせてくれたら良かったのにぃ~」には、正直、飲んでいた珈琲をちょっとふいちゃいました。
宮部さん、うける~♪
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« この冬の初体験 | トップ | やっちゃったねぇ~ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本(文庫本)」カテゴリの最新記事