
宮城谷昌光作品を続けて読んでいます。最初に読んだ『重耳』そして『孟嘗君』『夏姫春秋』読み終えたばかりの『介子推』。紀元前600年代~500年代の話ですが、まったく飽きていません。これほどまでに中国古代史小説が面白いものだったとは!
さて今日は「超」とか「MAX」とか「ヤバイ!」とか「ギザ」とかをはるかに越えた面白さで、あっという間に読み終えてしまった『孟嘗君』の感想を。
『重耳』も『孟嘗君』も、表題の人物が主人公になるのですが、実は『重耳』も『孟嘗君』も、本当の主人公は「別の人物」と確信するくらい、サブキャラクターが光りまくっています。『重耳』であれば、前半は重耳の祖父・称、後半は介子推と閹楚。『孟嘗君』では間違いなく風洪(白圭)です。
大商人・白圭となる風洪は、宮城谷さんオリジナルの登場人物。ひょんなことから斉の公子の子・田文(のちの孟嘗君)を育てることになるのですが、本当はそういう人物は歴史の中に登場しません。
風洪は、作家の「想像」と「創造」の翼を広げるだけ広げて、上昇気流に乗って昇華させたキャラですから、これがカッコイイったらありゃしない。清いだけではない、清濁併せ呑む人の方がどれだけ魅力的であることか。「もう惚れるしかないっしょ!」と、出自が替わってしまったお国訛で目がハートです。
さらに小説のネタバラシをしてしまえば、文庫本5冊のうち、孟嘗君がメインで活躍するのは、4巻の後半からと言っても過言ではありません。それまでは風洪(白圭)が、まるでインディ・ジョーンズのように繰り広げる「古代中国冒険活劇」となります。ここが相当面白いのです。冒頭で書いた「超」とか「MAX」とか「ヤバイ」とか「ギザ」とか、そんな言葉では決して表せないのです。
若き風洪の冒険活劇も素敵ですけど、私が好きなシーンは、文庫5巻24ページ。
従者はおもむろに立ち、小さく笑って、顔を上げた。「周の父上――」。つぎの瞬間、あたりは闇になった。
ここ! 田文から「周の父上」と呼ばれる白圭が、育てた息子のために密かに行ったこと…。それまでに散々風洪から白圭のカッコ良さを見せられ続けた挙句のこのシーン。「うひょ~!こりゃ~たまらんばい!」と、またしても出自が替わってしまった訛で、完全に白圭に落とされてしまいました。
白圭のことばかり書いてしまいましたが、もちろんそのほかの登場人物も魅力的で、中でも田家の食客たちは、個性的でキャラもたってます。呉立子という剣の達人も忘れることができない人物だし…。
『孟嘗君』。文句のつけようのない、とにかく痛快な小説です。
さて今日は「超」とか「MAX」とか「ヤバイ!」とか「ギザ」とかをはるかに越えた面白さで、あっという間に読み終えてしまった『孟嘗君』の感想を。
『重耳』も『孟嘗君』も、表題の人物が主人公になるのですが、実は『重耳』も『孟嘗君』も、本当の主人公は「別の人物」と確信するくらい、サブキャラクターが光りまくっています。『重耳』であれば、前半は重耳の祖父・称、後半は介子推と閹楚。『孟嘗君』では間違いなく風洪(白圭)です。
大商人・白圭となる風洪は、宮城谷さんオリジナルの登場人物。ひょんなことから斉の公子の子・田文(のちの孟嘗君)を育てることになるのですが、本当はそういう人物は歴史の中に登場しません。
風洪は、作家の「想像」と「創造」の翼を広げるだけ広げて、上昇気流に乗って昇華させたキャラですから、これがカッコイイったらありゃしない。清いだけではない、清濁併せ呑む人の方がどれだけ魅力的であることか。「もう惚れるしかないっしょ!」と、出自が替わってしまったお国訛で目がハートです。
さらに小説のネタバラシをしてしまえば、文庫本5冊のうち、孟嘗君がメインで活躍するのは、4巻の後半からと言っても過言ではありません。それまでは風洪(白圭)が、まるでインディ・ジョーンズのように繰り広げる「古代中国冒険活劇」となります。ここが相当面白いのです。冒頭で書いた「超」とか「MAX」とか「ヤバイ」とか「ギザ」とか、そんな言葉では決して表せないのです。
若き風洪の冒険活劇も素敵ですけど、私が好きなシーンは、文庫5巻24ページ。
従者はおもむろに立ち、小さく笑って、顔を上げた。「周の父上――」。つぎの瞬間、あたりは闇になった。
ここ! 田文から「周の父上」と呼ばれる白圭が、育てた息子のために密かに行ったこと…。それまでに散々風洪から白圭のカッコ良さを見せられ続けた挙句のこのシーン。「うひょ~!こりゃ~たまらんばい!」と、またしても出自が替わってしまった訛で、完全に白圭に落とされてしまいました。
白圭のことばかり書いてしまいましたが、もちろんそのほかの登場人物も魅力的で、中でも田家の食客たちは、個性的でキャラもたってます。呉立子という剣の達人も忘れることができない人物だし…。
『孟嘗君』。文句のつけようのない、とにかく痛快な小説です。
中国時代小説というと姓は○○字名は××というふうに沢山名前がでてくるので苦手でしたが、宮城谷作品はそういうのがないのでスンナリ入って行けました。
ワタシが最初に読んだのは『子産』、次に『太公望』、『晏子』、ここで目先を変えて司馬遼太郎の「項羽と劉邦』を入れ、今は『香乱記』で止まっております。
ついでながら、復活した(ハズ)のブログもまた止まっております。
ハハハッ・・・
「月のしずく」は終わりました。浅田さんの「シェエラザード」はどうですか?
中国のものは、まだ私には早いと思うのですけど、そんなにおもしろいのなら、「孟嘗君」を読んでみようかな~。
中国の古代史小説がコレだけ面白いとは予想できませんでした。4000年の歴史、恐るべし!
それにしても、女将さんが読んでいるものとまったくかぶっていないのには笑えました
私は『介子推』のあと『管仲』に入りましたよ。宮城谷版『三国志』、早く読みたいです。
ブログはムリしないように復活してください。女将さんのことだから、ムリはしないでしょうけど…。
浅田さんの『シェエラザード』に入る前に『鉄道員(ぽっぽや)』とか『椿姫』はどうかしら?
『孟嘗君』は、中国の歴史に興味がなくても、エンタテインメントとして優れた作品だから、
絶対に面白く、楽しんで読めると思います
ワタシも昔は本なしではいられなかったけど、今じゃなかなか読み進めず…
1冊に何週間もかかっちゃう~
まだ、以前紹介してもらった本も入手してないし…。
最近なんて、滝の写真集とか禅の本以外見てないような気がします
良かったよ~~
読んで良かったよ~~!!
あちこちでウルウル
勧めてくれてありがとう
また、読もう! もっと深く感じることができるかもしれない!
この間、本屋で北方さんの『三国志』をチラ見しました。
日本語で書いてあったよ(ひらがなもあった)あははは!
宮城谷さんのも日本語で書いてあるのかなぁ?
土曜日、ぱとらと散歩に行きました。
はしゃいで、真っ黒けになりました。
ここ1ヶ月くらい、日中にも読む時間がたっぷりあったし、
面白い本に続けて出合ったので、止まらなくなっちゃったんですよ
この秋の「めちゃめちゃ面白かったNo.1」は、『孟嘗君』で決まり
私も再読したいんですけど、まだ家でゆっくり読書ができる状態ではないし、
またあれだけ号泣する
ぱとらさん、嬉しかったでしょうね
「良かった・良かった」って、ニッコリしながら泣けてきた…。